2013-01-01から1年間の記事一覧

○トンビも工夫次第でタカになる! − 東尾修著「ケンカ投法」感想。 ◇絶妙なコントロール、シュートとスライダー、曲がらないカーブ、緩いの二つ投げて3度目はクイックの牽制でランナーを殺す等など。現役時代の投球術、工夫エピソード満載。とにかく転んで…

○走りつづける。作家・村上春樹にとってそれが大事なことだと知った。− 村上春樹著「走ることについて語るときに僕の語ること」感想。 ◇今年6月から週4日ペースで走っている。当初は3キロ。走る姿勢もおぼつかなかったから、犬の散歩にも追い抜かれた。今…

○年の瀬、恒例の今年の収穫報告の季節。暫定一位はコレ!− 小川剛生著「足利義満 公武に君臨した室町将軍」(中公新書) ◇都はひどく困憊し、帝の台所も火の車。宮中行事も滞る始末。 南北朝の抗争がその発端だった。 二条良基は日記を書いていた。事実でな…

○直感の世界。 ◇NHNのプロフェッショナル仕事の流儀のスペシャル版を観た。 以前の放送から正念場で結果を出す達人たちの選りすぐりダイジェスト。将棋の羽生さんの話が良かった。 「若い頃は記憶力とか反射神経とかで指して勝てたけど、歳をとるとそのその…

○高畑勲監督「かぐや姫の物語」感想。 ◇高畑勲「かぐや姫の物語」を観台詞にたよらずリアクションで胸の内に迫る演出。た。芥川龍之介の「羅生門」とか「鼻」のようなアプローチ。あれを漫画アニメーションでやるぞっという野心があふれていた。月に居た頃の…

○期待と落胆。 ◇昨晩、フジテレビのFNS歌謡祭観た。年末恒例のやつ。 エレカシが出ると小耳にはさんだから。いろいろな歌手がコラボして歌う趣向。 ももクロと伊予ちゃん、EXILEと草薙くん、和田アキ子と徳永英明とか。 たしかにお祭りっぽい。けどコラボっ…

ママチャリとかペットとか

◇既婚の女性が乗るタイプの自転車。 「ママチャリ」とひとくくりに言うけど、実際は千差万別。駅前やスーパーの駐輪場にはカスタムチューンされたママチャリがひしめき合っている。先日、デカいグラサンにパンタロン的なド派手なおばさんを見た。スーパーか…

○走る悦び ◇週5ペースで走っている。 元々痩せるために始めたジョギングだけど、今じゃ走ることソレ自体に夢中になっている。 まさか俺と走りがこんなにウマが合うなんて予想もしなかった。 そういえば父親もフルマラソン走っていたな。 走っているとき、走…

art

○Eテレ日曜美術館、石田徹也の回を観る。 日曜美術館「聖者のような芸術家になりたい 〜 夭折の画家・石田徹也」(9月29日放送)、録画観る(参照)。 幽霊以上のぼんやりような不安。夢のなかで被弾しリアルに激痛する切迫感。今生きる人なら誰もが抱えが…

○模倣と推理。 ◇ジョギング。毎日走るのはシンドイので、だいたい週4回ペース。 走る前のストレッチも結構しっかりやるようにしてる。健康のために始めたジョギングで、怪我したら元も子もないから。走った後、再度ストレッチ。ときたまシャドーピッチング…

○キャラクターアイテムとしての趣味。ー 映画「サイドウェイ」反芻。 ◇アレクサンダー・ペイン監督の「サイドウェイ」は好きな映画のひとつ(以前書いた評はこちら)。演出がすぐれてる。とにかく、主人公マイルスのキャラクターを観客に伝える趣味選定が素…

○「パシフィック・リム」とか「風立ちぬ」とか「ガッチャマン」とか。話題の映画はわんさかある。けど、今見るべき映画は「恋の渦」っしょ!ー 大根仁監督「恋の渦」感想。 ◇「恋の渦」、劇団ポツドールの同タイトル芝居の映画化。ヤンキー崩れとそのツレた…

○ウェス・アンダーソン監督「ムーンライズ・キングダム」感想。 ◇ボーイスカウトのサムと思春期で扱いの難しい少女スージーの駆け落ち顛末記。ウェス・アンダーソンの最新作。追随を許さないオサレな画づくりは健在。厭味なほどの美意識と一抹の寂しさが絶妙…

○サバの骨とほうき − 宮崎駿監督「風立ちぬ」感想。 ◇「魔女の宅急便」に似ている。トンボも二郎、ふたりともメガネ男子。二作はほぼ同じハナシで、裏表の関係と感じた。「魔女〜」が女の子メインの物語。本作「風立ちぬ」は男視点の筋立てという感じ。宮崎…

○樋口毅宏著「タモリ論」感想 その2 ◇むかし作家の村松友視がプロレスラー語りやっていた。さらに昔寺山修司が競馬叙情派を打ち上げていた。対象を率直に語るでなく思い入れフィルター越しに語り倒すという芸風。この本は、それのタモリ語りヴァージョン。…

○樋口毅宏著「タモリ論」感想。 ◇きほん個人的なタモリ観の披露なんだけど、全然いやでない。脱線しまくりの本。なのにドンドン引込まれる。楽しいのに切ない。小躍りしたい気持なのに哀しい。とにかく単純にああ面白かった!じゃ片付けられない本。ド直球の…

○高島俊男著「お言葉ですが…〈別巻3〉漢字検定のアホらしさ」感想。 ◇「お言葉ですが…別巻3」に、白川静と白川静と藤堂明保の論争についての コラムがあると知り、収録の「両雄倶には立たず 白川静と藤堂明保の「論争」」を読んでみた。 高島さんによると、…

○セス・ゴードン監督「モンスター上司」感想。 ◇降りかかる災難へのリアクションが笑いを生む。アメリカのコメディが日本でスベるのは、アチラの災難にボクらが共感できないものから。かりに共感できてもリアクションが日本じゃムリだったりする。 けど「モ…

○宮内悠介作「盤上の夜」感想。 ◇「盤上の夜」は、六つの作品が収められた短編集。収録作はすべて囲碁、将棋、麻雀などの卓上ゲームにまつわるもの。 表題作は第一回創元SF短編賞(山田正紀賞)受賞。というけど、この短編を読んだ印象としてが、宇宙とか…

○石井裕也監督「舟を編む」感想。 ◇「舟を編む」は、辞書作りの現場を取材し一人の編集者の人間的な成長を描いた作品。伊丹十三監督の「たんぽぽ」、「マルサの女」、「スーパーの女」あたりを彷彿。業界バックヤード的な「あるある」を織り交ぜつつ、手堅く…

○ジェイソン・ライトマン監督「ヤング≒アダルト」感想。 ◇アラフォー女が生まれ育った街への「凱旋帰国」し、ひと騒動起こすハナシ。 予想外にいたってコメディーっぽい。「ヤング≒アダル」、完全に女版「寅さん」!中高生向け小説の作家メイビス(シャーリ…

○リチャード・リンクレイター監督「僕と彼女とオーソン・ウェルズ」感想。 (ネタバレを含みます。観賞後にお読みになることをお勧めします) ◇ほろ苦青春映画。「オーソン版「ジュリアス・シーザー」初演にこぎ着けるまでを描きつつ、その舞台裏で殺された…

○ポール・トーマス・アンダーソン監督「ザ・マスター」感想。 (内容に踏み込んでいるので、本作観賞後読むことをおすすめします) ◇「ザ・マスター」は、あるカップルの話。 カップルと言っても男女じゃない。男と男。新興宗教の教祖と教団に迷い来んだけど…

○権藤博著「教えない教え」感想。 (集英社新書) ◇本書は、権藤流のボス論。上に立つ者のあるべき態度を説いたもの。管理職に昇進したばかり、部下にどう接していいか迷い中の「新米上司」向けの内容。 監督と呼ばれるのが嫌いで選手やスタッフから「権藤さ…

○森田芳光監督「僕達急行 A列車で行こう」感想。 ◇「僕達急行 A列車で行こう」はコメディ映画。監督は、「家族ゲーム」や「それから」、「失楽園」などの森田芳光。本作が遺作となった。 「僕達列車〜」は、監督自身の鉄道趣味を反映したものらしい。脚本も…

○ロマン・ポランスキー監督「おとなのけんか」観た。 ◇「おとなのけんか」は、登場人物が四人の室内劇。元々舞台が原作らしい。テーマ的には家族と個人。森田芳光「家族ゲーム」や黒沢清「トウキョウソナタ」を思い出した。 子供の喧嘩。振り回した棒でくち…

○黒沢清監督「トウキョウソナタ」感想。 ◇黒沢清監督「トウキョウソナタ」。テーマは「嘘」だと思った。「家族」というフィクションと言ってもいいかもしれない。 会社をリストラされた男、佐々木竜平(香川照之)は、妻にそのことを言いそびれる。そして、…

○トム・クルーズ主演「アウトロー」感想。 ◇コレ、観てよかった。万人にオススメする気ないけど、アタリ!俺好みな一本。 ジャック・リーチャーは、元米軍の腕利き捜査官。退役し放浪する一匹狼な男。刑事とかFBIとかそういう正義を遂行する権能ある人でない…

○リア充義満は皇位簒奪を野望したか? 小川剛生著「足利義満 公武に君臨した室町将軍」感想。 ◇義満には皇位簒奪の嫌疑がある。本書はそれを否定する立場。というか、この本、義満の評伝。で、今日的な史料読み得られた最新の義満像から、皇位簒奪容疑は濡れ…

○吉高由里子主演「横道世之介」感想追記。 ◇「横道世之介」は実質吉高由里子主演作の怪作。世之介は、あの頃の与謝野祥子(吉高)のカレシ。というより青春の記憶そのものという体裁。 吉高主演になってしまった原因、それはラストにおけるタクシー後部座席…