2011-01-01から1年間の記事一覧

○2011年の収穫。 1.菊地成孔・大谷能生「アフロ・ディズニー2」 (文藝春秋) 付箋貼りまくりで読んだ一冊。ボディーブローのようにグングン効いてくる本。なかでも松尾潔の回が印象的。 感想はこちら。 http://d.hatena.ne.jp/yasulog/20110514/p1ア…

○投低打高の時代。 ◇飛ばないとされる統一球も結局は打てるようになる、とノムさんがその著書「野村の見立て」に書いていた。 理由は、ピッチングマシーンの普及。アレでどんどん練習していけば、プロで飯食ってる連中なら打てるようになるのも時間の問題と…

○映画「モテキ」感想。 ◇ドラマ版「モテキ」みたとき、藤本幸世(森山未來)の心の声のダメぶりに圧倒された。 体温低そうなのルックスに相反し、内面は汗だくな饒舌キャラ。煩悩全開に自分保身を語りまくる身もフタもなさがある種壮快だった。 幸世の心の声…

○100均棚と想像力 ー 片岡義男著「木曜日を左に曲がる」雑感。 ◇小説を読む。それは「小説家」というフィルター越しに現実世界眺める行為かのかもしれない。小説家の職能、存在意義をそんなふうに漠然と思っていた。それが最近、絶対そうだと確信に変わっ…

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○巨匠と不肖。 ◇NHKでやってた「ふたり「コクリコ坂・300日戦争〜宮崎駿×宮崎吾郎〜」」を観た。 ゼロから作っていくというアニメ稼業のシンドさ。「才能」という一言で片付けられない駆り立てるもの。息子への愛情。親バカの露呈。 宮崎駿のたたずまい、も…

○絵になる敗者 - バンクシー監督「イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ」 感想。 ◇ドキュメンタリー映画「イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ」を観た。監督は正体不明のグラフィティ・アーティスト、バンクシー。 グラフティ・アートとはビル壁、…

○天秤、片方にサービス精神。 ◇久々に池袋へ。渡辺義浩「三国志」(中公新書)、奥泉光「桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活」を買う。平凡社ライブラリーの「史記列伝 二」はリブロになかったのでジュンクで買う。 赤坂英一「プロ野球 二軍監督」(講談…

○散歩の効用◇対楽天戦(クリネックススタジアム宮城)、3−4。サヨナラ負けにクサクサして千駄木まで散歩。千駄木を選択したのはミスド。この夏の新基軸、冷やし焼きドーナツなるものに心動かされたから。 無事冷やしや焼きド購入した後、カフェ併設の古本…

○贔屓のチームと心の安定 ◇ボクの贔屓チームはオリックスバフォローズだ。去年たまたまオリックスの試合をテレビで観て魅了され、バファローズファンのボクが誕生した。 今期専らテレビ観戦だが中継がある場合、ほぼ欠かさず観ている。 プロスポーツの贔屓チ…

○語り直され蘇生する ー 松本人志監督「さや侍」雑感 ◇先日フィンチャーの「ソーシャル•ネットワーク」を再見した。劇場公開時も観た。圧倒的な出来映えに悶絶した。で、DVDリリースのこの機会、見直してみた。当然また悶絶。グーの音もでない完璧さ。 faceb…

○数字とプレゼン ー 小野俊哉「プロ野球解説者の嘘」感想。 ◇プロ野球シーズン真っ盛り。お茶の間でテレビ観戦してると、解説のプロ野球OB解説者は、往々に自身の経験則をべらべら捲し立てている。連中は野球は上手かったかもしれないが喋りはスブの素人だ。…

○樋口毅宏「さらば雑司ヶ谷」読了 ◇「さらば雑司ヶ谷」は、漱石の「坊ちゃん」がタランティーノや北野武の映画世界に紛れ込んだようなノワール小説。 雑司ヶ谷。地下鉄副都心線が開通し、一躍メジャーな東京散策スポットに躍り出た街。街で代名詞である鬼子…

○iモードは足枷か否か。 ◇ドコモが株主総会でドコからiPhone出ないデスとぶっちゃけたらしい。 【速報】NTTドコモが「iPhoneの提供は考えていない」と正式に回答 http://gigazine.net/news/20110617_docomo_iphone/このコメントに対するネット界隈の反応の対…

○打ち損じ志向 ◇録画していた「Get Sports」を見る。目当ては石川雅規(東京ヤクルト)。世の中的にはダルビッシュが希代の名投手として注目の的だけど、ボクのような投手ファンの琴線にふれるのは、石川のような見た目地味だが、きっちり結果を残す投手のほ…

○変化球栄枯盛衰。 ◇週刊ベースボール買う。特集は「魔球大全」と銘打ち、杉内、ダル、田中将大、西勇輝などなど、球界を代表する投手の変化球の握りや投げるこコツを本人に直撃取材というもの。 三振も奪れる球種ということか、杉内と西はチェッンアップ、…

○塩梅と加減 ◇「大日本人」をハリウッドでリメイク(参照)というニュースはどうも解せない。素人の俺が案じてもどうしようもないが、考えれば考えるほどリメイクGoサインの意図が読めない。 「大日本人」は偽ドキュメンタリーという体裁。正義の味方のさし…

○パッと見、分かりにくい怪物。 ◇石川雅規「頭で投げる。」(ベースボールマガジン新書)読み中。 石川はプロ野球選手。東京ヤクルトスワローズのエース。シンカー、カーブ、チャンジアップ、スライダーなど多彩な変化球を操る技巧派左腕。公称167センチ…

○新沼は反省しなさい。 ◇昨日の対横浜戦、5−2で勝利。オリ先発のフィガロは制球にやや難があったものの及第点の出来。終わってみれば、3点差の快勝のようだが、実際は相手チームのミスにすくわれ拾った一勝という印象が強い。 五回の攻防、それがこの試合…

○陸軍の、石原莞爾でない方。 ◇近所の書店で野球小僧を購入。レジ前の「波」貰う。「波」は新潮社のPR誌だが、新刊宣伝記事ばかりでなく、連載も充実している。なかでも注目は片山杜秀の「未完のファシズム」。今号はその連載第九回。 小畑敏四郎は旧日本陸…

○純粋無垢な野心 ◇今朝の朝日新聞、荒俣宏の書評で知った本、デイヴィッド・マクラガン著「アウトサイダー・アート 芸術のはじまる場所」が面白そう。 アウトサイダーアートは、技術的にも概念的にも専門の教育うけず、我流で紡ぎだされた創作を指す。ならば…

○斎藤佑樹が持ってないモノ ◇図書館でリサイクル扱いの週刊ベースボールを貰ってくる。今年の1/3号、特集は「球界"移籍”ストーリー」と題し、悲喜こもごもの球界トレード史を振り返る。巻頭インタビュー岩村と森本。セ・パのバランスをとりつつ、旬をとらえ…

○様式のパッチワーク ー 山形孝夫「聖書の起源」(ちくま学芸文庫)雑感 ◇山形孝夫「聖書の起源」を読むきっかけは、映画「冬の小鳥」をみたことだった(以前書いた感想はこちら)。父親とジニの関係をイエスと父なる神のそれになぞらえて語る巧みさに圧倒さ…

○エレガント分析、松尾潔の場合。ー「アフロ・ディズニー2」雑感 ◇ディズニーさんちのネズ公が開拓した動きと擬音のシンクロ的な輪郭強手法と展開としてのジャズを経てのブラックミュージックの全盛。そしてマイケルジャクソンによるMTV革命という道筋。更…

○バーニャ・カウダ あるいは、よそ行きの野菜。 ◇最近読みたい本が沢山あってこまる。財力がままならないのでズバズバ買うわけではない。けどそれでも積ん読ドミノが形成されつつある。 もっか評判のジュノ ディアス「オスカー・ワオの短く凄まじい人生」も…

○無垢と書いて「ピュア」と読ませる。 ヘンリー・ダーガー展を観る。場所は原宿ラフォーレミュージアム。「キチガイってこういう素敵な絵を描くのよ」という展企画者の小出さんの鼻息がビュービュー吹きまくるの展だった。 ダーガー当人の電波系キャラにフォ…

○OSを捨てよOSになれ! 入江悠監督「劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ」感想 ◇「劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ 」を観た。場所はポレポレ東中野。 ナン何だコレは!!的縄文土器的な衝動が貫く希有…

○古今亭 その可能性の中心 ◇録画しておいたテレ朝「落語人」、古今亭菊志んの回をみる。 演目は「祇園祭」。京都人の傲慢なお国自慢に業を煮やした江戸っ子が、何をこん畜生と啖呵をきり、威勢のいい早口で江戸自慢で応酬するのが見せ場。菊志ん当人が己の得…

○オールバックの勇者 ◇岡本太郎展に出掛ける。太郎のサブカルぶりを再確認する展だった。 場所は竹橋の国立近代美術館。太郎太郎の生誕100年という区切りにあたる今年、松尾すずき主演の太郎ドラマやBT、芸術新潮、CasaBRUTUSなどの雑誌で関連特集が組ま…

○体験と語り ◇桑田佳祐の新曲「銀河の星屑」。今に始まったことじゃないが、この曲の歌詞、酩酊状態における釈迦との交流体験がテーマでとにかく馬鹿馬鹿しい。 http://www.sas-fan.net/kuwata_musicman/release/ 泥酔状態。ふらふらの帰宅途中の池の端での…

○牛と読解 ◇「ウサギ牛」、「泥牛」、「ヨモギ牛」、「ソバージュ牛」とか。不味そうなブランド牛の名前考え中。 ◇「風呂上がり」という場面、片岡義男世界の人物は何を飲むか? ◇図書館で小西甚一「古文の読解」。コレは高校時代に出会いたかった本だなとい…