「ダウントン・アビー2」第7話

「それぞれの選択」がテーマ。戦争終結のニュース。ダウントンにかつての穏やかな日々が戻ってくる。お屋敷も急ごしらえの病院の任をとき、我が家の感を取り戻す。といっても、戦前と同じでじはない。戦争の傷跡は戦後ダウントンにも深い影を落とす。下僕ウィリアムは帰らぬ人となり、次代当主のマシューは車椅子生活の余儀なくしている。
このドラマは、細雪渡鬼の足した感じで女たちの人生を描くもの。だから彼女たちが戦死するわけではない。けど間接的に男たちの死が女たちの人生を左右する。その悲喜こもごもが描かれいる。
一番の貧乏クジはエセル。ブライアント少佐と懇ろになり、子を宿した元メイド。
少佐は認知しせず戦死。屋敷に少佐の両親が立ち寄るという情報。家政婦長のヒューズは知る。エセルを密かに屋敷に呼び寄せ、少佐両親と赤ん坊(つまり孫)との対面を画策するが、空気的に延期すべきだと判断、エセルを諭す。が、エセルは。。。
かたや、クローリー家の三女シビルは共産かぶれの運転手と恋仲。急速に日常が回復していくダウントンに自分の将来が描けなくて狼狽気味。そして彼女もまた決断を。。。。

メアリー:「結局はエセルが選んだ道ということよ」
ラビニア:「それは冷たくない?」
メアリー:「そう?誰だって選んだ道は引き返せない」

一家団欒のお茶の席、クローリー家の長女メアリーの達観したようなクールな台詞は、この第7話の核となるもの。エセルだけでなく、執事カーソンの決断、元従者トーマスのヤミ物資への投資も引き返せない選択なのだ。
メアリーは二人の妹たちに比べ、運転や看護スキルなどの「自立する女」の技量は身につけていない。けれど、上に引いた台詞は「運命に翻弄されず、わたしはわたしの将来を己の才覚で切り開くわ」的な強い決意表明ととれる。その表明には新聞社オーナーとの結婚の件も含まれだろう。つまり、愛や女の幸せ以上に打算を優先したのはわたしの「選択」だと、いうニュアンスが(裏返せばマシューのことはきっぱり諦めた的な)。要するに彼女は「自立する女」志向なのだ。貴族のお嬢様すぎて分かりずらいけれど。