2011-03-01から1ヶ月間の記事一覧

○別の物語に放り込まれた「語り手」 ◇焼き鳥で夕飯。隣席のサラリーマン風五十代男三人。結構豪勢に食べている。漏れ聞こえるところから察するに自動車関係の部品メーカーのA社とその下請けB社というかんじ。時期が時期だけに震災のハナシもちらほら。けど、…

○「救わない神」という発明 ー 「シリアスマン」感想 ◇有楽町で映画「シリアスマン」。なんの因果か次々と不幸に見舞われるユダヤ人大学教師のジタバタを描いたコメディ。コーエン兄弟の作品。ドラえもんが登場しないノビ太のハナシという感じ。 ユダヤ人と…

○魔都・池袋 ◇久々の池袋。改札を抜け節電モードの暗い駅構内にぎょっとする。普段どおりに照明の保たれたみどりの窓口、券売機付近、改札内などの光源を間接照明代わりに通路部分も照らす風情。とにかく暗い。尋常でない早足な帰宅者の群。ホームレスは活き…

○人間すげぇ!ー サイモン・シン「フェルマーの最終定理」感想 (新潮文庫/青木薫訳 ISBN:9784102159712) 読んじゃった!面白すぎで読む終えてしまうのが惜しくなり他の本など読んで読み遅らせてきたが、ついに読了。 17世紀のフランスの裁判所役人フェル…

○ギラさわの境地 ー 服部真澄「清談 沸々堂先生」感想 服部真澄「清談 沸々堂先生」は、沸々堂先生の世間を喰ったような審美眼譚。風采は「庭師くずれか、建築家くずれ」と、冴えないそこいら辺りの関西弁のおっちゃん。けど、その審美眼は侮れない。作品の…

○東京の平穏 ◇昨日、テレビの報道で仰天した友人知人が心配しメールや電話やらをくれた。テレビは大袈裟で歩きで帰宅したが街並はいたって普通、家も本が散乱した程度で被害最小の旨それぞれ伝えた。 本日、食料の買い出し。開店したばかりの八百屋はいつも…

○iPodの同期不全とその復旧 通勤や走りのお伴のiPod touch。電池減るとMacと繋いで同期および充電する。この同期がくせ者。ごく稀にMac側のiTunesのiPod同期メッセージがグルグル状態になる場合がある。 その際ボクは、Mac側iTunesを強制終了後再度立ち上げ…

○行間から訳者の声を汲む ー 鴻巣友季子「明治大正翻訳ワンダーランド」感想 (新潮社 ISBN:9784106101380) 鴻巣友季子は翻訳家。最近は朝日新聞日曜版の書評欄で毎週面白そうな本を紹介してくれる目利きの評子として有名かもしれない。 「明治大正翻訳ワンダ…