2014-01-01から1年間の記事一覧

◎2015年の収穫。 1.アゴタ・クリストフ三部作。「悪童日記」、「ふたりの証拠」、「第三の嘘」(ハヤカワ文庫)。 アゴタは下手クソだけど、それが味になっている。いや味っていうか、凄味だな。 長めの感想はこちら。 2.マイケル バー=ゾウハー、ニシム ミ…

◎みずほの勇姿に感涙!ー マイケル・ルイス 著「世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち」感想。 ◇リーマンショック。俺は全然蚊帳の外だったからあれだけど、モロかぶっちゃった方々は笑えない。資産つーのかな一瞬にして紙くずになるわけで、いろいろ…

◎今どき珍しほどのガチのスパイ組織から見た近代史 − マイケル バー=ゾウハー、ニシム ミシャル 著「モサドファイル」感想。 ◇ポール・バーホーベン監督の「ブラックブック」を思い出した。運命の歯車が狂い、オランダのレジスタンスに味方するユダヤ人女性…

◎「悪童日記」、「ふたりの証拠」、「第三の嘘」。アゴタ三部作感想。 ◇「悪童日記」。双子の男の子のはなし。彼らが祖母にあずけられ、忍者ばりの自主訓練のすえ強靭な精神力と生きる知恵を手にする過程を描いたもの。タイトルの「悪童日記」はふたりが帳面…

○「ダウントン・アビー」シーズン2に夢中。

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1910年代の英国の片田舎、時代の波に翻弄される貴族一家、その屋敷を背景に、近代国家に生まれ変わろうとする英国を描こうというのがこのドラマの趣旨だと思う。けどそんな能書きなどなくても普通に楽しめる娯楽作だ。ネットで英国貴族版「渡オニ」と評…

リチャード・リンクレイター監督「6才のボクが、大人になるまで」

◇6才の男の子が大学生になるまでをサラサラと描いたもの。変わっているのは、子役の成長をまんま映画に撮るというアイディア。6才坊やの子役は撮影開始時、リアル6才。その子の18才までの成長過程を映画に活かすという算段。「おしん」を田中裕子に名ト…

○天道信仰と女の子たちのミューズ − 神田千里「島原の乱」(中公新書)感想。 ◇櫻井有吉アブナイ夜会だったか、加藤ミリヤが「誰かのミューズでありたい」という意味のことを喋っていた。 カメラも回すディレクターに「ミューズって何ですか?」と問われ、「…

○日ハム、赤田将吾が任意引退。 ◇赤田引退。ちょっとショック。三十四歳。年齢を考えると、仕方ないかなと思ったりも。 でも、やはり花形めいた西武時代を考えると、この引退は早すぎる。やっぱり。 彼は期待の若獅子だった。内野、守備の要である二塁という…

○弓とオツの交差点。コスチューム・アーティスト・ひびのこづえさんのブログから。 http://kodue1958.exblog.jp/21213912/ カワイイだけでない珍妙なブローチ、イイ。こっちは彼女が渋谷でやったワークショップで生徒の子どもが作ったやつかな? カブトムシ…

○バイク曲芸を披露する球形の檻は目に見えない宿命の暗喩か。−「プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命」感想。 ◇巡業曲芸のバイク乗り。奴のあまりに無分別な奴の非道が実は父の息子を想う無償の愛に由来するとするというハナシ。父の無償の愛情がテーマ。…

○走りについて。 ◇走っている。土砂降りでない限りほぼ毎日。つまり走りはボクの日課になっている。はやめに夕飯とり、ネットやテレビを見たりした後「さぁ走ろうか」ってウェア着替えて出掛ける。走る前に我流のストレッチ体操をやる。脚と背中を中心に。休…

○柳家は暗いよ。 ◇落語家っていうと「笑点」のイメージが強いかもしれない。日テレの長寿演芸番組。座布団すわって大喜利やっている人たち。たまに一人で「じゅげむ」とか「饅頭こわい」とか喋る職業って感じか。 原色に近い着物っていう印象もあるだろう。…

○トルストイ作品がキーラの美貌と大発明的演出で蘇る! ◇映画「アンナ・カレーニナ」を観た。 ロシアの文豪トルストイ原作の不倫もの。キーラ・ナイトレーが不倫に走り、人生の歯車がぶっ壊れたアンナを妙演。相手役アーロン·テイラー·ジョンソンもイケメン…

○ル・カレ的スパイ小説と腐女子大好物の奇跡的融合 -五條瑛 著「プラチナビーズ」感想。 (ISBN-13: 978-4087473445) ◇見た目以上にひょろっちい男の巻き込まれ系サスペンス!で、なおかつ「あぶない刑事」とか「相棒」的なコンビもの。在日米軍の「会社」と…

○コーエン兄弟監督「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」感想。フォーク版フーテンの寅のフガフガな日々。 ニューヨーク。売れないフォークシンガー、ルーウィンの一週間を描いたもの。金欠。友人宅を転々と泊まり暮らす日々。そんなある日…

○池脇千鶴、菅田将暉、高橋和也、伊佐山ひろ子という手練が演技怪獣として次々と綾野の前に立ちはだかる。− 呉美保監督「そこのみにて輝く」感想。 ◇弟役の菅田将暉の実質主演映画とといってもイイ。菅田くんオファーバンバン来るはず。もちろん池脇さんもオ…

○俺人生のベスト級の一作!人間の皮被ったクズが清々しく愛おしい。− マーティン・スコセッシ監督「ウルフ・オブ・ウォールストリート」

◇株屋なんて顧客のことなんかコレっぽちも考えてないかなね!って偏見に満ちた映画です。 え?偏見は良くない?けど、世の中の株屋さんは、この映画に抗議したりしない。なぜか? 損だから。抗議することでデカプリオに塩を贈りかねないと算盤はじくわけです…

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○ドラマ版「弱くても勝てます」、思ってたのと違う!嵐の二宮くん主演ドラマで話題沸騰中の「弱くても勝てます」。原作本扱いの同タイトルは、開成高校の野球部を取材したノンフィクション。 開成高校といえば、東大現役合格率トップとか。すごく頭のイイ学…

○運命を狂わせる女が必ずしも美人である必要はないと知った。− アレキサンダー・ペイン監督「ハイスクール白書 優等生ギャルに気をつけろ」感想。 ◇原題は「election(選挙)」。生徒会選挙をめぐる野心全開の女子と教師のはなし。 トレイシーは、のし上がる…

○「BRUTUS」なにしろラジオ好きなのもので。 ◇雑誌ブルータスのラジオ特集号を買った。ハードとしてのラジオでなく、番組としてのラジオにフォーカスしたもの。当たり前か。2009年の3月にラジオ特集を組んだらしい。だから今回は5年振りの「第二弾」。…