○ル・カレ的スパイ小説と腐女子大好物の奇跡的融合 -五條瑛 著「プラチナビーズ」感想。
(ISBN-13: 978-4087473445)


◇見た目以上にひょろっちい男の巻き込まれ系サスペンス!で、なおかつ「あぶない刑事」とか「相棒」的なコンビもの。

在日米軍の「会社」と呼ばれる諜報部門とその息の掛かった末端に籍をおくアナリストのハナシ。主人公の葉山は容姿的には白人。新聞、雑誌など巷に溢れる情報を精査解釈し会社にレポートする分析屋。筋は悪くないが半人前という感じ。表向きは出版社極東ジャーナルの社員。政治信条は鳩派。元陸上部だが、夏の暑さにめっぽう弱い。もう腐女子の腐心臓をワシ掴むために生まれてきたキャラ。萌えがネギ背負って歩いている風情。一方、相棒の坂下は見た目東洋系。国籍はアメリカの軍属。ガサツ。武闘派。ザ・軍人。

とある代議士(アントニオ猪木がモデル?)の訪朝団に同行した女優のたまご留美。「会社」から指図で彼女への聞き取り調査する葉山。留美の話で葉山の興味をひいたことが二つ。その一「留美が会ったという北の幹部が、身体的特徴的がかつて重要ポストを占めたある人物を彷彿させる」(復権の可能性)、その二「その幹部の側近か商売相手と見られる東洋系のイケメンの存在」(北の近々の画策の気配)。

最悪な展開。留美が行方知れずに。自分がなんかミスったのかもしれないと胸中穏やかでない葉山。一方の坂下、失踪中の米軍兵と海岸で発見された遺体の確認すべく金沢に出向く。捜索中の失踪兵に間違いない。だが顔を潰された遺体は殺しを匂わせる。留美案件と米兵失踪案件。留美の失踪。そして葉山を尾行する影。やがてふたつの案件は交差する。。。。留美北の工作員なのか?東洋系イケメンは何者か?北は何を画策している?

コンビものだが、元々のコンビでない。日本国内で動く際に目立たないと判断した「会社」が、見た目東洋人の坂下を葉山の助っ人として寄越した塩梅。葉山はアナリストは優秀なのかもしれないが、荒事はズブの素人。素人の正義感まるだしで留美の失踪が自分の責任だと重く考える葉山。職務以上にコトの真相を追い求め前のめる。結果、危険のド真ん中に立つ葉山。暴力断固反対の鳩がノコノコ棒で打たれになやってきた的な有り様。この辺り、腐女子のハートときゅうんきゅうん云わせる行動様式なのかも。というか、葉山は完全姫。じゃじゃ馬的なお姫様。身の危険とか頓着なく好奇心のまま行動しする感じ。むろん葉山を守るのは坂下の役目。騎士の役回り。腐女子に萌えるなってのが無理な相談だね。

WOWOW「モズ」班でドラマ化希望!けど葉山は誰がやるべきかなぁ。城田優Gackt?。。いやGacktさんは、キャスト的には北の謎イケメンの方だよね。じゃあ葉山は。。。。ウエンツ瑛士?!


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