2009-09-01から1ヶ月間の記事一覧

○奥様という理想、嫁という現実 「枝雀落語大全(8)」収録「青菜」を聴く。 噺は、仕事先の大家(たいけ)の主人と奥様の上品なやりとりに感動した植木屋が、嫁動員で「大家ごっこ」をやるというもの。元々上方の演目らしいが、ぼくは東京の桂文朝バージョン…

○暗部に斬り込だ!式のドラマチック要素は極力薄く、淡々とした筆運びに猪野萌え! - 猪野建治「興行界の顔役」読み中。 (ちくま文庫 ISBN:9784480039798) 猪野はノンフィクション作家。日本ジャーナリズム界における、近代ヤクザ、アウトロー分野の泰斗的…

○拡散する渥美清、あるいは兵役なき時代のイニシエーション ー 難波功士 「ヤンキー進化論」感想 (光文社新書 ISBN:9784334035006) 渥美清主演の映画「拝啓天皇陛下様」は、ウィキペディアでは喜劇とされているが、今時分の「喜劇」とか「コメディ」のそれと…

○狸、枝雀、松本人志 桂枝雀「枝雀落語大全(28)」収録の「権兵衛狸」を聴く。 権兵衛さんが引き戸をガラっと開ける狸登場のシーン。枝雀、「キツネ」といい間違える。ま、こうした失敗も愛嬌か。 「狸が戸をどうやって叩く」の動物ウンチク挿話のタイミング…

○野ざらし、柳好、ニュータイプ 春風亭柳好「ビクター落語 三代目 春風亭柳好 野ざらし、他」より、十八番の「野ざらし」を聴く。 噺は、「こぶとり爺さん」式の二段構成。調子ノリ男が隣の戸を叩くところから始まる。男、昨晩酌をしてい女は誰だと問いつめ…

○三代目・春風亭柳好 ー 熱演から遠く離れて 図書館で借りてきた春風亭柳好「ビクター落語 三代目 春風亭柳好 野ざらし、他」を聴く。 「宮戸川」が抜群に面白い。 「宮戸川」は、将棋に入れあげ、親父から締め出しを食らった半七とカルタ遊びで締め出しくら…

○いなかっぺ大将、あるいは旋律を揺れる身体 ー 菊地成孔・大谷能生「アフロ・ディズニー」読み中。 (文藝春秋 ISBN:9784163716305) 文庫版「東京大学のアルバート・アイラー 歴史編/キーワード編」が予期せぬ数字をはじき出したとかで、青色吐息の出版界…

○親子、狸、軽さの重み 「古今亭志ん朝 落語名人会 28」を借りる。志ん生の「化物使い」が面白かったので、倅のやつも聴いてみた。 感想は「普通」。ま、こっちが期待持ち過ぎなのかもしれないが。 噺の導入の奉公斡旋所でのやりとり、お化物が一つ足され…

○豪ちゃん、「小島慶子キラ☆キラ」レギュラー決定! http://gosan.cocolog-nifty.com/pod/2009/08/09831-2b85.html ま、これは嬉しい。えーと、辛酸さん、時限爆弾勝谷さんの復帰も希望しるよ。次いでにほたるゲンジの桐畑トール街中中継も復活のぞむ。 あっ…

○端折り、編集の力、オタク=黒人 志ん生「決定盤 志ん生落語集(2)」収録「化物使い」を聴いた。コレは面白い。林家彦六バージョン(「古典落語の巨匠たち」(9)収録)より、こっちがイイ。彦六の実直さが完全裏目、志ん生の端折り加減に冴えを感じる。志ん生…

○後藤正治「牙―江夏豊とその時代」 (講談社 ISBN:9784062749862) 「牙 -江夏豊とその時代-」は、ノンフィクション作家・後藤正治の江夏豊を材にとった読み物です。 いわゆる「ノンフィクション」。これが結構厄介で、「まったくの作り話じゃないよ、取材した…

○タヌキと志ん生 落語の「権兵衛狸」はタヌキの噺。キツネの「狡猾」に対し、タヌキの「無邪気」が打ち出されいる。昔はなし、絵本などで子供でもお馴染みのタヌキのキャラの落語的活用という感じ。 この間聴いた金馬のやつが面白かったので、今回は志ん生バ…

○難波功士「ヤンキー進化論」を読み中 (光文社新書 ISBN:9784334035006) 五十嵐太郎編著「ヤンキー文化論序説」がオモシロかったので、難波功士「ヤンキー進化論も読んでみました。 まだ読み切っていませんが、アタリ。かなり面白いです。 この本、今日「ヤ…