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○三代目・春風亭柳好 ー 熱演から遠く離れて
図書館で借りてきた春風亭柳好「ビクター落語 三代目 春風亭柳好 野ざらし、他」を聴く。
「宮戸川」が抜群に面白い。
「宮戸川」は、将棋に入れあげ、親父から締め出しを食らった半七とカルタ遊びで締め出しくらったお花の馴初めバナシ。2場面構成で、両場面とも半七が戸を叩くところから始まる。つまり「親父」と「叔父さん」は対の関係なのだ。
柳好バージョンは、この叔父さんと伯母さんの漫才的な掛け合いが、メチャメチャ可笑しい。
最近読み中の「菊地成孔・大谷能生「アフロ・ディズニー」流にいえば、柳好は、キャラの演じ分けに力点においた熱演から最も遠い落語家だと思う。この噺の「叔父さん」などはキャラ輪郭が破れ、そこから柳好が顔を覗かせてる風。
いやー素敵な芸風だなぁ(笑)。感服!