◎みずほの勇姿に感涙!ー マイケル・ルイス 著「世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち」感想。


リーマンショック。俺は全然蚊帳の外だったからあれだけど、モロかぶっちゃった方々は笑えない。資産つーのかな一瞬にして紙くずになるわけで、いろいろパーになった。昨日まで金持ちだった連中がオケラになった。くらいならましで、国ごと丸裸になっちゃうケースも。。。
著者はブラピ主演で映画化された「マネーボール」原作者のマイケル・ルイスアメリカの金融業界って、何かに似てるなって思ったんだけど、日本の原発村だね。地震があって放射能漏れちゃって、汚水もドバドバ海に捨てちゃう。「安全神話崩壊」とか新聞やテレビも言ってたんだけど、原発計画やめようってことのなってない。それと同じで、アメリカもリーマンショックで税金つぎ込んじゃった。で、今もアメリカの市場は普通に動いてる。世界を巻き込んで不況のドツボに堕ちた債券市場の大崩壊、完全に無かったかのような体。
当事者たちは高給とってノホホン左団扇なのに血税投入?ま、あのまんま放置したら、自国の経済はおろか世界が破滅するからって理屈は分からんでない。だったら詐欺まがいの輩は派手に撃ち殺してミセシメにしないとダメ。FRBの職員は電卓じゃなくて、44マグナム待たすべき。死刑執行権の裁量やるくらいの抜本改革が急務だよ。でなきゃ連中、税金をあてに一儲け算段しかねない。
この本で学んだこと2つある。1個目は株とか債券とか素人が手出しするもんじゃないってこと。買った債券が紙くずになっただけでなく、納めてる税金までぼったくっていくんだよ。大企業のべらぼうな損失補填って名目で。
そう言えばみずほ銀行さん、この本の後半に登場するんだよ。それが「鴨ネギ」なんてレベルじゃないんだよね。えのきや水菜、白菜も豆腐全部背負いの鴨が家族総出でっやってきました的カモっぷり。哀れっていうかブザマっていうか、田舎者丸出しっていうか、とにかく泣けた。でもみずほさんの悲哀ってアメリカ債券市場の熱狂そのおこぼれに与ろうっていう小市民的な羨望とコインの裏表だね。火事とか祭とか人だかりがあると、なんだかテンション上がっちゃうよね。人間の心理だと思うよ。
だから学んだことのもう1個は、人は誰しも祭が大好きだけど、好きには二派閥あって、祭でバカになって騒ぐエンターテイメント堪能派と、バカから金を巻き上げてウハウハする派がいるってことだね。


世紀の空売り―世界経済の破綻に賭けた男たち (文春文庫)世紀の空売り―世界経済の破綻に賭けた男たち (文春文庫)
マイケル ルイス Michael Lewis

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