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◎2015年の収穫。
1.アゴタ・クリストフ三部作。「悪童日記」、「ふたりの証拠」、「第三の嘘」(ハヤカワ文庫)。
アゴタは下手クソだけど、それが味になっている。いや味っていうか、凄味だな。
長めの感想はこちら。
2.マイケル バー=ゾウハー、ニシム ミシャル 著「モサドファイル」(ハヤカワ文庫)
教条主義的というか復古主義というか、どんなジャンルに立川流みたいな一派がいて、超正統派ユダヤ教一派の後継に育てようと孫を誘拐する祖父さんと、母親の件が興味深かった。モサドは身内にも容赦しない。こちらの感想もこちら。
3.マイケル・ルイス 著「世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち」(文春文庫)
デヴィッド・フィンチャーで映画化希望。感想はこちら。
4.井上夢人著「ダレカガナカニイル… 」(講談社文庫)
オーム真理教、山梨のサティアン。随分むかしに感じる。当時の村と教団の対立、ずさーっと思い出した。あの騒動、こんな感じでミステリーの道具に仕立てるの!?とか、死んだ御霊はピュアな存在よ的な霊魂観とか、おはなしの道具立て、ウソのつきかたが何かキュートでよかった。
5.伊東潤著「城を噛ませた男」(光文社文庫)
短編集。直木賞候補にもなった表題作、いまいち。俺の推しは「江雪左文字」。「江雪〜」地味すぎっていうなら、「鯨のくる城」でしょ、直木賞候補。あっ「のぼうの城」と被りすぎた!?。でも断然伊東さんの方が筆。。。以下省略。
6.長岡弘樹著「傍聞き」(双葉文庫)
短編集。アマゾンで評価にバラツキがあるのが面白い。俺自身も?っ感じだった。
けど長岡さんあまり取材せず、想像で書いているとの巻末の大森望解説で知ってビックリ。テレ朝の時事ネタ盛り込み系の刑事ドラマにありがちな、地に足系っていうか所帯染み系の、全然ファンタジー要素皆無!なのに、これを想像で書くの?って仰け反った。というわけで長岡さん、要注目!!「教場」も評判だしね。
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