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◎2015年の収穫。 1.アゴタ・クリストフ三部作。「悪童日記」、「ふたりの証拠」、「第三の嘘」(ハヤカワ文庫)。 アゴタは下手クソだけど、それが味になっている。いや味っていうか、凄味だな。 長めの感想はこちら。 2.マイケル バー=ゾウハー、ニシム ミ…

○2012年の収穫(順位なし)。 ◇小川剛生著「武士はなぜ歌を詠むか」(角川書店) 室町末期まで、和歌は人心掌握の術であり、外交のチャンネルでもあった。つまり武士は政治活動の一環して和歌を詠んだのだ。 本書は鎌倉から室町末期までを眺め、和歌そのもの…

○2011年の収穫。 1.菊地成孔・大谷能生「アフロ・ディズニー2」 (文藝春秋) 付箋貼りまくりで読んだ一冊。ボディーブローのようにグングン効いてくる本。なかでも松尾潔の回が印象的。 感想はこちら。 http://d.hatena.ne.jp/yasulog/20110514/p1ア…

○2009年 読書の収穫◇総評 巷の話題を寡占した村上春樹も勝間和代も読まなかった。去年いちねんの我が読書道程を振り返ってみると、マイウェイぶりに半ば呆れる。 そのマイウェイさには一つの傾斜があって、野球本を多くよんだ。「キャッチャーという人生…

○読書の収穫 2008年 ◇総評 映画「レッドクリフ Part 1」が予想以上に繁盛しているらしい。先頃わたしもスクリーン前に陣取った。いやー、スゴいな、ジョン・ウー。亀のドアップには参ったぜ。 読書界を三国志に見立てた場合、劉備玄徳はこの私をおいて他にな…

○2007年 読書の収穫。 1位 渡辺靖「アメリカン・コミュニティ―国家と個人が交差する場所」 (新潮社 ISBN:9784103060314) 2位 木下直之「わたしの城下町―天守閣からみえる戦後の日本」 (筑摩書房 ISBN:9784480816535) 3位 稲葉振一郎「経済学という教養」 (…

○2006年 読書の収穫 1位 「nu」02号 佐々木敦×宇川直宏 大谷能生×磯部涼 細馬宏通×岸野雄一 他 (ASIN:謎)2位 渡辺京二「神風連とその時代」 (ASIN:4862480365)3位 村上春樹「東京奇譚集」 (ASIN:4103534184)4位 吉田戦車「歯ぎしり球団」 (ASIN:4…

○2005年 読書の収穫 今年の読書傾向は歴史ものに偏った。 「幕末気分」が面白すぎたせいとその余勢かって司馬遼太郎ブーム到来のためである。 司馬遼ブーム余波の「忍者」への関心から、「坊ちゃん忍者幕末見聞録」を読み、そこから一人称問題と奥泉光の文体…

○2004年 読書の収穫◇総評 奥田英朗が直木賞を獲ったので良かった。 唐突に山口瞳ブームが来て、その流れで重松を見直すことになった。 色眼鏡は、読書ライフとっていちじるしくマイナスであると痛感した。だから、大沢在昌や堂場瞬一も躊躇なくどしどし読こ…

1片岡義男著「日本語の外へ」(角川文庫 ISBN:4041371945) 写真などを評価する場合、「ヌケがいい」という表現がある。 私見では、客観的に商品としての資質を備えているという意味だと解している。 もうかれこれ3年ほど義男につきあっているが、彼がいっ…