○俺人生のベスト級の一作!人間の皮被ったクズが清々しく愛おしい。− マーティン・スコセッシ監督「ウルフ・オブ・ウォールストリート」


◇株屋なんて顧客のことなんかコレっぽちも考えてないかなね!って偏見に満ちた映画です。
え?偏見は良くない?けど、世の中の株屋さんは、この映画に抗議したりしない。なぜか?
損だから。抗議することでデカプリオに塩を贈りかねないと算盤はじくわけです、きっと。連中はは常に利にさといのです。狼というか、ハイエナっぽい。

デカプリオ演じる男は株屋の末席に名を連ねるもの。末席だけど、ハレンチさ、下衆さ、顧客のことこれっぽっちも考えなさは、株屋の鏡。生まれてときからそうだったように、板についてます。
金の亡者、守銭奴、詐欺野郎。世間は彼をそう罵倒するでしょう。彼は株屋ですからウマの耳にネンブツです。けど、そん罵倒や色眼鏡も屁の河童です。ブレずに金の亡者街道を突っ走る。デカプリオが100倍増しに男前見えます。男前のハイエナです。ウォールストリートの一匹狼?狼に失礼です。単なる下衆、人間の皮を被ったクズです。

欲望に忠実というか、欲望が服来て歩いてる。それが主人公の本性です。そんな彼ですが、ジョナ・ヒル演じる糞デブ野郎とはクズ同士の絆で結ばれた友です。
デカプリオは、追いつめられるとすぐにケツまくって会社の部下を警察に売ってしまう。けど、ジョナ・ヒルの糞デブ野郎のことは裏切りません。デカプーが窒息しそうになった糞デブをひん死状態から救うシーンは、株屋のクズのクセにこんな人間的な一面がまだあったのか、感動します。人間というものの深遠さ、崇高さを株屋の下衆と株屋の糞デブ野郎にまざまざと見せつけられるのです。ハイエナにも五分の魂というか。株屋も所詮人間なんだなと思えてきます。

いや、デカプリオやジョナ・ヒルは株屋の末席だからこのザマなのかもしれません。ウォール街のど真ん中に店を構える連中は、どんな顔して顧客に電話し、部下を煽り、愛人に愛をささやいているのかな?と思うとやっぱ世の中カネが全てだなという結論に至っりました。
ブラボー、デカプリオ!ブラボー、ジョナ・ヒル!ブラボー、マーティン・スコセッシ!!



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