○絵になる敗者 - バンクシー監督「イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ」 感想。


ドキュメンタリー映画「イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ」を観た。監督は正体不明のグラフィティ・アーティスト、バンクシー
グラフティ・アートとはビル壁、走る電車の横っ腹、地べた、電柱、ベンチなどの公共物など街中のありとらゆるものををキャンパスに見立て、作品を発表する行為、および作品を指す。ま、落書きの一種。気の利いた落書き。落書きのオモシロイやつって感じ。バンクシーが正体明かさないのも創作スタイルが、落書き行為による建物等の損壊という側面があるからだ。ようするに彼や彼の仲間の創作作業は、犯罪行為ということ。
既存のアート。額縁や台座など芸術的シンボルを身にまとい、さらに「美術館」と看板を掲げる建物に意味ありげに展示される絵画や彫像の数々。犯罪行為グラフィティ・アートは、いつの間にかガンジガラメなってしまったたアートを再度解き放つ運動という側面があるのだ。
いや、過去形で「ムーブメントだった。」というべきか。ミスター・ブレインウォッシュを出現した今となっては。。。
本作はグラフィティ・アートの猛者たちの創作過程の勇姿や伝説を記録したものだ。グラフィティ・アート猛者の時代先導感。自信の力漲る感覚。V9時代の巨人もそうだったろうと思わざるを得なイケイケの破竹の勢い。
しかし、連中はその勢いのさなか転んだ。大転びに転んだ。伏兵だ。いや奴はそもそも敵ではなかったはず。。。。
このドキュメンタリーは結局グラフィティ・アート側の無惨なほどの負け戦の記録だ。奢りがあったのか?手応え十分だと思っていたが、世の中はちっともグラフィティ・アートの肝を分かっちゃいなかったのか?ミイラ採りがミイラになった?倫理とウチワの評価をごっちゃにした?
無惨な負け戦。連中はなぜミスター・ブレインウォッシュ召還してしまったのか?友だちとは胸襟を開いてつきあっちゃうけないのか?
そもそも負けたのか?負けてないとしたら連中の糖尿患者の残尿感にもいた惨敗ムードはなんだ?
多分ミスター・ブレインウォッシュ自体が、連中の「共作」で、ほどほどの「駄作」なのだ。
ブレインウォッシュの今太閤ぶりも圧巻だが、バンクシーの転んでもタダでは起きないクリエイティヴ魂もヤバい。不撓不屈って根性のようだけど、ユーモアな場合もあると学んだ。オススメ。


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