セス・ゴードン監督「モンスター上司」感想。


◇降りかかる災難へのリアクションが笑いを生む。アメリカのコメディが日本でスベるのは、アチラの災難にボクらが共感できないものから。かりに共感できてもリアクションが日本じゃムリだったりする。
けど「モンスター上司」は問題なし。コレ、日本人でも共感できるし笑える。

ムカつく上司を殺したい!仲のイイ呑み仲間。上司の愚痴が酒の力か勢い余って殺し屋雇おうってことに。上司への復讐心で突っ走る三人、実はお互いの上司へ悩みはあまり分かち合えてない。それがモトでチームの足並みに乱れが。。。。

ふつうの小市民が上司を殺そうと計画したら的なコメディ。なんか落語みたい。
いまどきなアメリカ風俗をスケッチしてるのかもしれないけど、サスペンス映画のお約束からの脱線が笑いの起爆剤になっている。
三人中もっともドジキャラを演じるチャーリー・デイ、彼の可愛らしさは華がある。彼でなかったらもっと地味だったかも。

ケヴィン・スペイシー演じるムカ上司。会社でのワンマンっぷりだけでなく、家庭での妻への執着や愛猫家の一面などこまかく人格が掘り下げらている点がイイ。この辺を疎かにして役者に丸投げしてたら、もっと化物じみたものになってたかも。

けどまあ、よくよく考えるとケヴィンのムカ上司はアレはアレで非の打ち所なく害悪すぎる。現実世界じゃ、ムカ上司も家庭では良き夫、優しいパパだったりするから困るんだけどねぇ。


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