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○三中信宏 「系統樹思考の世界」雑感 (講談社現代新書 ISBN:ISBN:9784061498495) 「○○選手は野球をよく知っている」 野球解説などで、たまに耳にする言葉だ。この場合の「知っている」は、野球というゲームにおける駆け引きに長けているとか、ゲーム展開に則…

○変化拡散するヤンキー、あるいは木下優樹菜 - 五十嵐太郎編著「ヤンキー文化論序説」感想 (河出書房新社 ISBN:9784309244655) 五十嵐太郎、専門は近代建築史。著書「新宗教と巨大建築」は、近代日本の建築史において、鬼っ子扱いをうけ、無視されていた新興…

○最近読んでる本 − ジャック・ルーボー「麗しのオルタンス」 (東京創元文庫 ISBN:9784488188023) アマゾン「内容」より引用。 金物屋が次々に襲われ、深夜0時直前、大音響とともに鍋が散乱する。平和な街に続く“金物屋の恐怖”事件。犯人は?動機は?哲学専攻の…

○今読み中 ー 菊池良生 「傭兵の二千年史」 (講談社 ISBN:9784061495876) 血湧き肉踊る一冊。傭兵目線のヨーロッパ中世史。ニッポンでいう下克上的な混沌から、あらたな枠組みが出来る過程を、傭兵に焦点して語った欧州中世史。野蛮悪辣パワーの台頭と、権…

○最近買った本 - 酒井順子「儒教と負け犬」 (講談社 ISBN:9784062150477) 本書「儒教と負け犬」は、ブームを巻き起こした「負け犬の遠吠え」の続編のテイ。内容は「遠吠え」以降の負け犬の状況と負け犬発生の社会背景を探るがお題目の、女子トーク・ルポ。 …

○弟の器量 - DVD「千原トーク」分析 DVD「千原トーク」は、かれらのトークライブを収録したもの。近所ツタヤで1、2巻借りて観た。 娯楽としてでなく、トーク術の素材として観た。 ぼくは、客が笑うのを話芸の効果と考えた。つまり、客の笑い(結果)にはト…

○孔子、しずか、まぜるなキケン - 白川静「孔子伝」雑感 (中公文庫 ISBN:9784122041608) いやー。。。。エラいもの手にとってしまった。うかつだったなぁ、おれ。どうしよう?。。。マジでヤバいねぇ、孔子伝。 もはや白川の俺節がどうこうってレベルじゃな…

ユタ、バリ3、孔子様 ー 湯浅邦弘「諸子百家」メモ (中公新書 ISBN:9784121019899) 高校以来の友人Mは設計士。東京の事務所で修行を積み、バブル崩壊とともに帰郷。今や1級建築士様。景気どん底な地方いおいてまずまずの威勢を堅持しているようだから、頼…

○天狗の焼け太りhttp://d.hatena.ne.jp/yasulog/20090610#p1 から続き。 小松和彦「日本妖怪異聞録」、第四章「日本の大魔王 崇徳上皇」。 「世界の山ちゃん」はチェーンの居酒屋。名古屋名物、手羽先がリーズナブルなお値段で食べられるってことで人気な店…

○妖怪も濡れる街角 小松和彦「日本妖怪異聞録」。「酒呑童子」、「妖狐 玉藻前」、「是害坊天狗」の三章をまで読む。 妖怪は何故退治されなくてはならないのか? ま、悪さするから退治されるのだが、小松が紹介する伝承や説話を読んでも、連中の悪事の背景、…

○変哲のない路地がなつかしい 帰りしな池袋リブロに寄った。 文芸書コーナーで片岡義男の新刊本発見。 「名残の東京」。路地や看板、マネキン、電柱などを撮った、義男の東京風景写真集。 義男写真はキホン風景スナップだ。東京の街、表通りからひとつ脇へは…

○気になる新刊 ◇高橋洋二「オールバックの放送作家――その生活と意見」 (国書刊行会 ISBN:9784336050854)オールバックの放送作家――その生活と意見高橋 洋二国書刊行会 2009-05-27売り上げランキング : 2059Amazonで詳しく見るby G-Tools関連商品 諦女 宮崎吐…

○外市、犬とか妖怪とか 30日(土曜)は、外市へ出向いた。場所は池袋の古本屋往来座。外市は、同店まわりにプロ・アマ混合の古本同志が本棚や段ボールに本を並べ売るイベント。天候不順のせいか、いつもより小振りな感じ。研屋のアニキもいなかった。買っ…

○ロリータ、ぶっちゃけ不細工なんじゃね? 「ロリータ」の語り手ハンバートってオッサンは元祖ロリコン。 というか、「ロリータ」で主人公ハンバートが開陳する性癖、性的し好を、後にもっともらしい名前を付けられたのがロリータコンプレックス、所謂ロリコ…

○今野敏「琉球空手、ばか一代」、感想 (集英社文庫 ISBN:ISBN:9784087462975) 今野敏は今大層引っ張りダコの娯楽小説の書き手。本名は「サトシ」だが、ペンネームの敏は「ビン」と読ませるようだ。 文庫本のカバーの折り返しにある近影では、スポーツ刈りの…

○懐かしがりとじゃがいも 帰宅途中、本屋へ寄った。文庫売り場をぶらぶらし、新刊台のちくま文庫や文春を物色してると、 「へぇジョン・ケージかぁ、なつかしいー」 と俺の横で、三十前後の痩せた男が、「ジョン・ケージ著作選」を手にしながら唐突に声をあ…

○気になる新刊 ◇石井哲,小島健一 「工場グラフィティ」 (コアマガジン ISBN:9784862525307)工場グラフィティ石井 哲 小島 健一 コアマガジン 2009-04-30売り上げランキング : 11613Amazonで詳しく見るby G-Tools関連商品 工場萌えF 見学に行ってきた。―巨大…

○奇想からみえる恋愛の普遍 「変愛小説集」は、翻訳家の岸本佐知子がチョイスし訳した風変わり恋愛短小説アンソロジー。 レイ・ヴクサヴィッチという人の「僕らが天皇星に着くころ」面白い。テイスト的にはしりあがり寿のマンガを彷彿。 ハナシは体が序々に…

○気になる新刊 ◇野口武彦「江戸の風格」 (日本経済新聞出版社 ISBN:9784532166939)江戸の風格野口 武彦日本経済新聞出版社 2009-04売り上げランキング : 63622Amazonで詳しく見るby G-Tools ◇柏文彦「地侍の魂」 (草思社 ISBN:9784794217073)地侍の魂柏 文…

○空っぽのキツネの巣穴 通勤の友は菊地成孔 ・大谷能生「東京大学のアルバート・アイラー ―東大ジャズ講義録・歴史編」。 この本、実際の講義録をベースにしたモダン・ジャズを中心としたその前後の音楽のながれを、楽理的研鑽をふまえつつ、大谷が菊地の口…

○気になる文庫 5月近刊 ◇ 新人物往来社文庫 /新人物往来社 ●永倉新八「新撰組顛末記」 永倉は新撰組の数少ない生き残り。NHK大河「新撰組!」では、ぐっさんこと山口智充が演ってたね。 「新撰組始末記」は、永倉が新聞記者相手に往事を語ったのもの。コレ…

○菊地成孔・大谷能生「東京大学のアルバート・アイラー 東大ジャズ講義録・歴史編」読み中です (文春文庫 ISBN:9784167753535) 菊地成孔・大谷能生「東京大学のアルバート・アイラー 東大ジャズ講義録・歴史編」読み中。 本書は菊地・大谷コンビの東大ジャ…

○アンタ、誰? ウラジーミル・ナボコフ「透明な対象」感想。 (国書刊行会 ISBN:9784336040299) 「透明の対象」は、主人公ヒュー・パースンの恋とその顛末を描いた小説。 だが、それは見かけの体裁にすぎない。 本作は、三人称視点で語られ、語り手「私」は…

○原武史「大正天皇」感想その3 (朝日新聞社 ISBN:9784022597632) http://d.hatena.ne.jp/yasulog/20090320#p1 より続き。 1921年、首相原敬が暗殺に倒れたため大正天皇の病状発表に関する主導権を牧野伸顕が掌握した。原敬が病状についてのみ公表する方…

○原武史「大正天皇」感想その2 (朝日新聞社 ISBN:9784022597632) http://d.hatena.ne.jp/yasulog/20090317#p1より続き。 近代天皇制においてその二代目となる明宮嘉仁は仰々しさを嫌いカジュアルを好んだ。 筆者原武史は、嘉仁のこの性格の要因を幼少期里子…

原武史「大正天皇」感想その1 (朝日新聞社 ISBN:9784022597632) 明治天皇と皇后・美子(はるこ)は、とんと子宝に恵まれなかった。つまり明治天皇の子は、いずれも側室がもうけたものだった。 13人の子のうち9人が女の子(内親王)で男の子(親王)は4…

○気になる新刊 ◇菊地信義「装幀思案」 (角川学芸出版 ISBN:9784046213969)装幀思案菊地 信義角川学芸出版 2009-03-14売り上げランキング : 572432Amazonで詳しく見るby G-Tools ◇斉藤政喜・内澤旬子「東京見便録」 (文藝春秋 ISBN:9784163711706)東京見便録…

○司馬遼太郎「覇王の家」読み中 (新潮文庫 ISBN:9784101152387,ISBN:9784101152394) 家康にフォーカスした司馬遼太郎得意のおしゃべり人物式伝小説。 新興織田と名門今川に挟まれた弱小のサダメか人質として辛酸をなめた幼少時代から信長の同盟を機に段々と…

○映画?古本? サブカル胸算用 今朝起きて洗濯や掃除などをしつつ、今日の予定を考える。このところ週末は体調がすぐれない傾向だったが、本日は好調。よって外出したいと思った。 映画か、はたまた古本か。その二択をうむーと思案した。 映画というのは、昨…

○「文藝別冊 特集 吉田戦車」を買う (河出書房新社 ISBN:9784309977188) マンガ家・吉田戦車にフォーカスしたムックがでた。吉田が徹頭徹尾自分自身を語り倒すのではなく、吉田の周辺人が吉田作品やそのひととなりを語ったもの中心の企画。 西原理恵子、二ノ…