○独りだけ芝居がちがう三田佳子


地元ブックオフに立ち寄る。100均でない新書棚をなにげに眺めていたら、勢古浩爾白洲次郎的」(ISBN:9784896918748)を発見。この本は知らんかったなぁと手にとり、頁をパラパラやってると、赤いのがチラホラ。前の持ち主の引っ張った赤い線。値札シールを確認、400円。。。買わずに棚へ。

三隅研次監督「座頭市 喧嘩太鼓」。
007シリーズにボンドガールがあるように、座頭市シリーズもそれがある。今回の座頭ガールは三田佳子。当時27歳の三田佳子だが北島マヤ的な意志はその当時からあったようで、旅籠で葛藤に苦悩し嗚咽するシーンはややオーヴァードライブ気味。ただ、歴代がチャンバラ映画の添え物風な存在だったのに対し、三田の座頭ガールのオシの強い演技は尋常でない気迫に溢れており、場合によっちゃ主役勝新を食ってやる!的な三田の俺節炸裂のふぜいだ。そういえば、座頭市が馬で激走するシーンがあるが、アレは暴れ馬たる三田佳子の操縦に難渋する勝新の暗喩のようだ。 とにかく、女優だましいグイグイ吹かしまくりの三田の抜擢は、ある意味座頭ガールという役にあたらな可能性を見いだした。
佐藤充演ずる浪人と座頭のサシの勝負も見応えあり。俺がみたなかで、このときの勝新のドスさばきが一番暮キレている。三隅監督万歳!傑作。


座頭市喧嘩太鼓
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ポニーキャニオン 2003-11-19
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