○義朝の躍進の巻/元木泰雄著「河内源氏 - 頼朝を生んだ武士本流」読み中。
(中公新書)


◇義朝の生涯における最大のターニングポイントといえる出来事、それは仁平三年(1153)3月28日の下野守就任だったらしい。
義朝の破格の出世は、彼の骨折りに対する褒美だった。当時さかんに王家荘園拡充に躍起だった美福門院、義朝は彼女に荘園の寄進を行い、そのツテで鳥羽院につながった。
ところで、下野守就任は目出度いことだが、これがターニングポイントとするのは単に目出度いからだけではないようだ。
鳥羽院裁量で官を貰うことは、すなわち義朝が鳥羽院サイドに与する意思表示だということ。往時鳥羽院とその近臣は、摂関家藤原忠実、頼長親子と対立しており、一触即発のヤバい空気が漂っていた。そして、義朝の父為義は、摂関家の手下として組み込まれていた。。。。
とどのつまり、下野守就任は、親兄弟と一戦交えることも辞さない、と義朝が肚をくくったということらしい。


河内源氏 - 頼朝を生んだ武士本流 (中公新書)
河内源氏 - 頼朝を生んだ武士本流 (中公新書)元木 泰雄

中央公論新社 2011-09-22
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