○そろそろ「つけ麺」の話をしよう ー ノビるまえに食べる哲学


◇つけ麺が暴れている。商店街を席巻し、駅地下「のれん街」を闊歩し、246沿いをブイブイいわせている。
スープ偏重時代の終焉。豚骨だ!塩だ!魚介だ!ベジポタだ!と近年のラーメン戦争はスープによる差別化を「売り」としていた。けど、そのスープ差別化マーケティングも拍車に拍車が掛かり、結果ダブルスープとか焦がし醤油とか本当に旨いか?採算的にどうなのか?そっちのけの差別化の袋小路にハマりこんでしまった。
スープ偏重のツケが一気にやってきた。儀礼化したこだわりスープに普通のお客はそっぽを向き始めた。スープ差別化の泥沼でもがき苦しむラーメン界。それを救ったのがつけ麺だった。かつてラーメン屋のマカナイ飯にすぎなかった麺スタイルは、一躍英雄となった。スープ重力からの自由さが功を奏したのだ。
ラーメンと何か?
つけ麺とは、麺サイドによるラーメン観の提示だ。ラーメンとは炭水化物である!つけ麺にこめられたラーメン観とは究極的にそれだ。味の濃厚なスープに麺を絡ませ喰うという発想はぶっかけ飯の所作だ。そう、つけ麺はぶっかけ飯なのだ。粗野で下品で野蛮なあのぶっかけ飯の遺伝子、つけ麺はそれを受け継いでいる。だから旨い。だからワシャワシャ食べるのだ。食後なぜか後ろめたい。けど旨い!なぜか?現代社会において背徳こそ最良の旨味調味料なのだ。
そういえば、生パスタとやらが原宿青山界隈で跋扈しだしていると小耳に挟んだ。きっと、つけ麺の親戚だ。間違いない。つまりぶっかけ飯の麺的応用なのだ。


これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学
これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学マイケル・サンデル Michael J. Sandel

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