ロバート・ロドリゲス,イーサン・マニキス監督「マチェーテ」感想 ー 「屈強な漢、ハクい女、悪党一味を一網打尽」の真空パック


中学のとき、ボクは一心不乱に竹刀を振る剣道部員のだった。
給食のない土曜は親から200円貰い、学校向かいの売店でジューシー(沖縄風の炊き込みご飯)のおにぎりとコーラを買って練習前に腹に流し込んだ。
今ボクは、ジューシーおにぎりとコーラを「流し込ん」だと書いたが、それは文学的な誇張表現でなく、まさに食道に流し込み胃袋におさめたのだ。
それが中学時代のボク流ランチだった。アホな組み合わせだったが、超馬鹿ウマだった。
ジューシーのおにぎりは旨い。今でも好物だ。けどもはやコーラは飲まないし、ましてやその組み合わせで口にしようとは思わない。典型的中学生男子の粗暴極まりないジャンク飯だった。
けどふとした瞬間、アノ馬鹿ランチ、ジューシーおにぎり&コーラの味が濃密にボクのベロに蘇ることがある。脳内で回想される馬鹿ランチの味。それは密接に剣道部時代の記憶や景色と結びついていて、それこそ走馬燈をまわすのだ。体育館をそよぐ大して涼しくない風。部室のドア脇のドロ蜂の巣。お世辞にも可愛いと言えない女子剣道部員の面々。鉄アレイ代わりの砂を詰めたコカコーラホームサイズの瓶。通販で買った宮本武蔵著「五輪の書」。。。
マチェーテ」を観た。中学時代流し込んだ、ジューシーおにぎり&コーラ味の映画だった。
マチェーテ」は、マチェーテ(ナタ)と渾名されるイカツイ男のバイオレンスなバカ炸裂の英雄譚だ。
よくよく考えると何故マチェーテが銃をぶっ放すのか、刃物をギュルンギュルンさせるのかよくわからない。筋・脈絡とは別にボクをシビレさせるためだけに挿入されたカットが、意表をついて割り込んでくるからヤバすぎにヤバいのだ。
「身の程を知る」。
ついつい忘れがちな訓戒だ。悪党もその例にもれない。大概の悪党も羽目を外している。本作でもそうだ。つまりマチェーテとは、傍若無人の悪の横暴に怒った神の使者、怒りの権化かもしれない。否そうではなく、ただ単に屈強な男、漢のなかの漢なのかもしれない。否そうではなくて、アメリカ・メキシコ間の国境をさまよう亡霊なのかもしれない。否やはりマチェーテは神の使いで。。。否、素性なんてどうでもイイっ!腕がめっぽう強くて、女にモテモテ。それがマチェーテなのだから。
基本的にお昼時分テレビ東京でやってるのを、たまたまシゴト非番で家にいて偶然観ちゃって、「いやーなんか得したなぁ」と思えるB級アクションの髄をぐつぐつ煮込みました!って塩梅の本作だけど、だからこそこの機会に劇場へ足を運ぶべきだ。
観賞するとかそんなヤワなこと言ってちゃダメだ。デカいスクリーンで脳みそに流し込め!!


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ロドリゲス作品ではコレが好き!。



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マチェーテ」のすこぶる中学生男子テイストとの親和性が高いということで、QBBを併せて貼っておこう。