○スローなカーブにしてくれ  ー 座右の銘決定
   

先の日本シーズ第二戦、ダルのピッチングはカーブ主体。それもスローカーブ。ゆるいやつ。裏をかかれた巨人の重量打線はキリキリ舞い。完全手玉にとられた。勝利後のダル取材によると、去年日本シリーズの岸の活躍にヒントを得た、と言ったとか。
このダルのコメントのため世間的に岸カーブへの注目が高まったのか、ここ最近当ブログの「岸 カーブ 投げ方」、「岸 カーブ 握り」等の検索結果からの訪問が増えた。
案外需要があるコトに書いたボク自身が驚いているのだが、カーブ愛好者の輪をもっともっと大きくすべく、この好機に乗じてトドメの岸カーブ記事を書いておこうと思う。もーコレを読んじゃうと間違いなくアナタはカーブのと・り・こ!  、のはず。あっ、岸選手に惚れちゃう場合もあるか!うむー。。。ま、兎に角トドメの岸カーブ記事だ。
ボクの過去二回の関連エントリー。それらは岸のカーブ握りを雑誌記事や野村ID克也のテレビ解説などをベースにボクの推理を語ったものだった。
だけど、今回は違う。
下に張った動画をみれば一目瞭然。なんと岸自身が握りと投げ方を開陳している!!
なんだかボクのあーだーこーだの推理とかバカみたいじゃん!と思っちゃうほど岸の開陳ぶりはあっさりでビックリ。まあ、切磋琢磨の勝負の世界。同じ球が二年もつほど甘くないというコトからの「握り」解禁なのかもしれない。だからと言って、未来のエース諸君にとっての、岸カーブの意義が摩耗するものではないと思うから真似してみるとイイ。
岸のカーブ。その特徴についての解説は張った動画のそれにゆずるが、「抜く式カーブ」の利点は、腕の振りなどストレートと同じフォームで投げられるコトらしい。岸本人もクセのないフォームを意識においていることが栗山に対しての受け答えでうかがい知れる。
が、同じフォームでも投げても次のタマを予測するワザを見いだした男がいたりするから、プロってぇとこはスゴい。シビレる。
その恐るべき眼力男とは誰か?
言わずと知れた「野村ID野球の申し子」こと、古田メガネ・キャッチャー敦也その人だ。
古田敦也「「優柔決断」のすすめ」、95ページから引用。

クセの出るのは、ボールの握り方だけでは、ありません。
 ストライクゾーンを九分割したマス目にした、いわゆるチャートというものがあります。ピッチャーはそれを使っているので、球のコースをイメージするときは、たいていそのマス単位で考える。たとえば、変化球を投げるときには「だいたい、あのあたりに投げよう」と、自分がイメージするマスをぼんやり見て投げるものなんです。
 その一方で、真っ直ぐを投げるときは一点をねらいます。すると何が起きるかといえば、投げる直前にちょっとした「間」が生じるのです。真っ直ぐだから、あの一点、あの隅をねらわなければ・・・・・・などと慎重になるのでしょうね。それがワンテンポのズレとなって表れる。

どお?ヤバいでしょ。プロの勝ちへのどん欲さっつーのは、尋常でないね。
敵を動作を観察し、そこから心理を推理する。で、その推理が正しいかどうか試合で試してみる。古田って人は、そんなことをいくつも考えてその都度試してきたんだな。
ID野球」とか「弱者の兵法」とか色々な言われるわけだけど、要はじっくり観察し、相手の心理を探ること、まず肝なのだ。で、気づいたとは試す。
「優柔決断」、ボクの座右の銘にしる!



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