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○批評、豚まん、聴診器
「枝雀落語大全(36)」より、「義眼」を聴く。
医者の聴診器はコント的な記号だ、というマクラ部分の結論に度肝抜かれる。
テクノロジーの日進月歩めざましい現代社会。医学分野も間違いなく、その恩恵をうけ、病気の早期発見や治療精度は日々向上している。しかし、にもかかわらず医者という連中は、コントの医者役同様にいまだ聴診器をぶら下げているのだ、という指摘。
ま、その洞察はスゴい。たしかに凄いし、御説ごもっとも!だ。けど、「義眼」のような軽めの噺に、こんな大層なマクラを添える枝雀の「お笑い求道者」振りに半ば感服し、半ば呆れる。コンビニ豚まんの具材に平田牧場極上ロースをつかう式価値紊乱のマクラだな、これは。
落語のマクラ。それは演目のための導入、糸口であるけど、それにメタ目線というか、自身の演目批評をもってくるのは枝雀流のオリジナルかも。
ホント変な人だよ、枝雀つー人は。
枝雀落語大全(36) | |
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