○当世軍師心得 ー 池上彰「わかりやすく〈伝える〉技術」感想
(講談社現代新書 ISBN:9784062880039)


著者はフリージャーナリストの池上さん。NHK週刊こどもニュース」の元祖お父さん、アノひと。本書「わかりやすく〈伝える〉技術」は、言ってみれば「こどもニュース」お父さん流プレゼン虎の巻という体裁。
ところで、おれの気のせいかもしれないが今や軍師の時代と思う。
軍師とは、組織にあって、ある事態に対し献策する者を指す。で、採用された策はズバリ的中だったり、効果薄の場合もある。しかし結果は軍師の責任でない。つまるところ、その責は献策を採用した大将にあるのだ。
だから軍師はドシドシ献策するべき存在なのだ。それが軍師の本分といえる。むろん余り打率が悪いと、お役御免の憂き目もあるだろうが。。。
何が言いたのかゆーと、今日的サラリーマンは、まさにこの軍師的資質を問われているんじゃないかということ。もし仮にそうであるなら、われわれはドシドシ献策すべきじゃないか。当るも八卦当らぬも八卦なのだから、献策の大盤振る舞いぐらいが丁度いいのかも。業務改善提案したり、企画会議でプレゼンしたり、朝の持ち回りスピーチ的な場でソレとなく、つぶやいたり。
結果責任は会議が吸収するんだと思えば、コワイものは何もない。だとすれば。。。献策採用のテクニックこそ、サラリーマン渡世の肝でないか。
本書は、池上さんがこれまで培ったわかりやすく〈伝える〉技術の手練手管の満載だ。お茶の間の視聴者を想定した目と耳に訴えるつたえる技術はまんまサラリーマン渡世にドンピシャなこと請け合い。
今まさにパワーポイントに悪戦苦闘中のあなたや新橋ガード下で同僚とビール片手にブレスト中のあなたも、本書のちょっとしたヒントきっかけで「総務・購買部の直江兼続」や「関東第一営業部黒田官兵衛」にな、れ、る、か、も。
時代が軍師を待っている!!まあおれの気のせいかもしれんが。



わかりやすく〈伝える〉技術 (講談社現代新書)
わかりやすく〈伝える〉技術 (講談社現代新書)
講談社 2009-07-17
売り上げランキング : 156

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

関連商品
落語論 (講談社現代新書)
世界は分けてもわからない (講談社現代新書)
人の心は「色」で動く (知的生きかた文庫)
「空気」と「世間」 (講談社現代新書)
はじめての言語ゲーム (講談社現代新書)