○すべらない映画、「ディア・ドクター」


・eiga.com 2009年7月10日,「エンジンF他「ディア・ドクター」、好スタート」
http://eiga.com/buzz/20090710/12

9大都市16館の2日間における座席占有率は68.8%と高稼働している。特に、主演の笑福亭鶴瓶の地元関西では、立ち見可能な劇場では座席数を超えることもあり、座席占有率96.1%と驚異的な稼働率を示した。


先日ぼくも再度観てきました、「ディア・ドクター」。
興行的に成功してるようで、もしかするとぼくのようなリピーターが結構いるのかもしれません。ご飯じゃないですが、おかわりしたくなる。それが本作の不思議な魅力です。「人志松本のすべらない話」が人気ですが、「ディア・ドクター」はすべらない映画だと思います。つまり、何度観ても面白い映画と太鼓判押したい。
過疎と言っても「ド」がつくほど辺鄙でもない普通の田舎。そこで暮らす人々を診療所中心描く映画の語り口が素晴らしい。もはや魔法!の域、尋常ではありません。西川美和おそるべしです。

興行的な成功はおそらく主演に鶴瓶抜擢の効果があるでしょう。けれど、それは単にテレビの人気者、好感度なタレントさんの起用という意味ではありません。この映画、鶴瓶無しには成立しなかった、というのがぼくの見立です。
ニコニコ顔のときも目が全然笑ってない。
鶴瓶のお茶の間好感度を他の芸人がクサす場合しばしば聞かれるフレーズ。鶴瓶はそう言われると必死に否定するのが常ですが、ぼくはある意味的を射てると思っています。だって鶴瓶の目ぇ、たしかに怖いから。それはどっか醒めた感じというか、一見柔和で人の良さげな印象を真っ向から否定する冷たい目ぇです。
おそらく西川監督、この「笑ってない目ぇ」で鶴瓶に主役のオファーしたんじゃないでしょうか。神懸かり的なキャスティングの的確さ、これも西川監督の特徴です。すごいんです、西川美和。なんでしょうねかね、この才能。うむー。。。。いやー、もう一回観に行くかも。ま、鶴瓶が好きな人もそうでない人もとにかく騙されたと思って観てみてください。「ディア・ドクター」、絶対すべりませんから、太鼓判です。
それにしても鶴瓶の地元関西での人気、えらいもんですね。いくらなんでもきょうび映画の立ち見って!