○失せもの 日常生活の瑣細なバグ


ケータイのバッテリーカバーが消えた。
けさ地下鉄ホームで電車待ち中にナニゲにケータイを取り出したとき、むき出しのバッテリーと目が合い、その不在を知った。
支度して家を出る際、カバーがあったかどうかアヤフヤだ。もはやその時点でなかったのか?それとも駅までの道すがら落としたか?
ケータイのカバーの不在。仕事中も凹むというより、軽く動転気味だった。なんかパンツ履き忘れた以来のソワソワだなと思った。が、よくよく思い出してみると、パンツは履き忘れた過去は上書きされたニセ記憶だった。
帰宅後、部屋をよく探索してみた。台所や洗面所もチェックした。けれどやはり見当たらなかった。
ケータイのバッテリーカバー、一体どこに居るのか。どこを放っつき歩るってんのか。
もしかするとカバーやつ、明朝何事もなかったかのようにあるべき場所におさまってたりするかもしれない。バッテリーに被さってるくらいしか能がないように見えて、あいつはあいつで色々あるのだろうなと思ってみた。おれだってそれなりあるわけだからさ。
そんなんで、やつが帰ってきても今回は叱らないと心にきめた。