外市鬼子母神


沿線毎に人生がある。
イギリスの格言か詩の一節だったと思うが、そんな言い回しがあるそうだ。たしかに中央線沿線と東武東上線沿線では歩む人生がちょっと違う気もする。
今回開通した副都心線は、和光市小竹向原間は私の通勤電車・有楽町線と共有区間である。成増に陣取る私は、この副都心線の開通によって、有楽町線的でない別の人生を手に入れるのかもしれない。
ぼちぼち梅雨っぽくなってきたが、本日は晴天。かといって日が照りつけるでもなく絶好のお出かけ日和。というわけで、古本外市へ出かける。今月は往来座の店舗周りでなく、鬼子母神境内。
開通ほやほやの地下鉄・副都心線に乗り、雑司ヶ谷へ。
駅舎を上がると、都営荒川線が目の間を走っている。東西線で通勤する職場の同僚は、この副都心線が何故俺の東西線と接続しないのかと不平をもらしていたが、たしかに雑司ヶ谷西早稲田という駅の敷設は、荒川線ひいきで、東西線を微妙にさけている感もある。けやきの並木をとおり、境内へ。本堂に向って左手に手作り市、右手に古本外市。参拝をすませ、古本物色。
古本市ってもともとオッサンのテリトリーだったが、今や若い人が多い。見目うるわしいイマドキの女子もちらほらいて、隔世の感がある。否、別に小汚いオヤジ連中が懐かしいわけではないが。
永江朗「いまどきの新書」(原書房 ISBN:9784562038572)を買う。300円也。
手作り市の側もみて廻る。布かばん、革細工、アクセサリーのたぐいをゴザやテーブルに並べた店が十数個。焼き菓子を売ってる店が異色だった。しっかり者風の女性がしきりに電卓を叩いていたが、このイベントへの出店、果たしてどうだったのか。
帰りしな、池袋駅で停車した際、新宿・渋谷方面へ行く人でフォームが異様にごったがえしているのが車窓より見えた。池袋のお客が渋谷、新宿にもっていかれる、みたないマスコミ論調があるが、たしかにモッサリ感未だに漂う(そこが好きなんけど)奇妙なターミナル都市池袋、正念場かもしれない。




鬼子母神境内


けやき並木