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○「ノーカントリー」って、もしかしてホッブズ的な「万人の万人 に対する闘争」がテーマなのか？
ライター組合のストライキ騒動で授賞式開催の危ぶまれた今年の第８０回米アカデミー賞。前評判どおりコーエン兄弟監督「ノーカントリー」が作品賞、監督賞など４つの部門で見事受賞。ただお祭りとしては準備不足もあって地味な授賞式だったみたい。
退社後池袋のジュンク堂に寄る。目当ては文春新書、高島俊男「天下之記者―「奇人」山田一郎とその時代」（ISBN:9784166606214）。ついでに「ノーカントリー」の原作本、コーマック・マッカーシー「血と暴力の国」（扶桑社文庫）も買おうと思い探すが、見当たらず。帰りしなリブロの文庫棚もチェックしたが、やっぱ品切れてる。ジュンク堂で探せなかった円城塔「オブ・ザ・ベースボール 」をちょっと立ち読み。迷ったすえ買わずに退散。
帰宅後昨日見たダニエル・クレイグ主演の「007 カジノロワイアル」を見直す。監督は「マスク・オブ・ゾロ」やその続編「レジェンド・オブ・ゾロ」のマーティン・キャンベルってひと。
冒頭の２０分間の忍者並みに飛び跳ねる爆弾魔との捕り物シーンがとにかく素晴らしい。アクション映画としてスピード満点な理想的な導入に仕上がっている。また、この冒頭２０分シーンはダニエル・クレイグ演じる新生007の性格（少々荒っぽいタフさとたとえ窮地に陥っても判断を誤らない精神的なクールさ）を観客に印象づけることが意図されており、監督的には、してやったりの出来映え。パーフェクト！！あと映画全体がポーカーの心理戦をイメージされていて、007と悪党サイドを交互に見せる手際も演出の勝利と言っていい。
マーティン・キャンベル、作家性みたなもんは乏しいかもしれんが、アクション映画を撮る腕前は非凡さが光る。俺は好き。
