岩波書店「世界」連載中の魚住昭のシゴトが抜群に面白い。


図書館で何気に手にとった岩波のオピニオン雑誌「世界」をパラパラめくっていたら、魚住昭の名前を眼に留まった。
聞き書き村上正邦 日本政治右派の底流」、9月号はその第6回目。

村上正邦は、自民党右派を代表する政治家。「参院のドン」とか「村上天皇」と異名される参院の大物。小淵後継に森を指名した「五人組」の一人。っていうか「あんたやればいいじゃないか」と森に促した男。
2001年2月、KSD事件で収賄報道をきっかけに参院議員会長辞任後、自民党を離党し議員辞職

「聴き書き村上正邦」。魚住の狙いは、政治家・村上正邦の半生をとおして、戦後政治と右派の流れを追跡するという魂胆だろう。

村上は最初の選挙で落選する。当時、「オマエ票が足りんぞ!」と田中角栄から叱咤されたらしい。けれど村上は、生長の家福田赳夫の関係から、福田派を念頭におき、角栄選挙カー同乗応援を断ったとか。
一般参賀のときの日の丸の小旗は、以前は生長の家が一括してこしらえていた。が、事実上の三代目・雅宣の教義解釈大転換によって、これがオジャンになり、村上は支持母体と小旗の生産ラインを失ってしまったとか。
なかなか興味深いエピソードがてんこ盛り。まだ連載は続くようだが、本になったら売れるだろう。