○最後から二番目の達観

先日、本屋時代の先輩と酒を飲んだ。先輩は根がSFな人だ。本屋になってからは読むジャンルを広げていったようだが、読書的な故郷がSFなのだ。
それで、昨今PKデックがぜんぜん売れなくなっているというか、若い人が見向きもしなくなっているのはなぜか?というギモンを先輩にぶつけてみた。
先輩の意見は、いわゆるキャラクター小説が全盛の昨今は、SFやミステリという既存のジャンル要素がキャラ小説に取り込まれているので、若い読者はSFをひとつのジャンルとして認知していないのではないかというもの。
なんか達観してるというか、愛のない意見だなと思いSF愛を鼓舞するため、
「○○さんにとって、センス・オブ・ワンダーってなんですか?」
と訊いてみた。
先輩は訥々と日本SF、とりわけ小松左京への傾倒を語っていたが、結局先輩のセンス・オブ・ワンダー.も俺はつかめず仕舞いだった。ま、俺が小松左京読んでないせいだな。
デックは「ずらし」だとか、「ずらし」という用語は吉田戦車まで包括してしまう云々というようなこともしゃべったが、酩酊しているも手伝って、堂々巡りな会話で終わった。

帰りの電車で「センスオブワンダーを探して」というタイトルで、日本SFをおさらい検証という企画はどうかとか思った。え、売れない?著者はSFど真ん中の人物がいいと思った。殊能さんとかなぁ。大泉実成もいいかも。