○話題としての吉田戦車

以前本屋の若い連中と飲んだ。その際、吉田戦車のことが話題になって、すいとん君(仮名)が吉田戦車好きだけど、
「「ぷりぷり県」は一番つまんない!」
と言い放った。
すると、
「そ、それは違う!」
と間髪いれず吉見百穴君(仮名)がたしなめた。
百穴君は、年配の俺が「ぷりぷり県」の熱心な愛読者であることを知っていたから、すいとん君の「ぷりぷり県」つまらない発言を大慌て否定したのだ。
たしかに「ぷりぷり県」愛読書家である俺は、この漫画がもっと世の中に普及してしかるべきだと思ったりもする。けどまぁ、そうはいっても漫画は漫画なので、すいとん君の趣味を俺が否定できるもんでもない。その場はちょっと気を悪くしたかもしれないが、そんなことで立腹するほど俺も野暮ではない。
だいたいそんなことはありえないが、仮に「ぷりぷり県」が「こち亀」や「ちびまる子」なみに認知され、爆笑されてる世の中が到来したら、それはそれで厭というか気味悪いもんだ。
俺への、あるいは俺の「ぷりぷり県」愛への気遣いから出た「そ、それは違う」だったが、あのときの百穴君のうろたえぶりは、まさに吉田戦車じみて面白かった。



ぷりぷり県 (1)
ぷりぷり県 (1)吉田 戦車

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