yasulog2007-01-02

○2006年 読書の収穫


1位      「nu」02号 佐々木敦×宇川直宏 大谷能生×磯部涼 細馬宏通×岸野雄一
         (ASIN:謎)

2位      渡辺京二「神風連とその時代」
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3位      村上春樹東京奇譚集
         (ASIN:4103534184

4位      吉田戦車「歯ぎしり球団」
         (ASIN:487233972X

5位      国松孝次「スイス探訪 したたかなスイス人のしなやかな生き方」
         (ASIN:4043810016

6位      佐藤弘夫「神国日本」
         (ASIN:4480062955

7位      横山秀夫 「クライマーズハイ
         (ASIN:4167659034

8位      細馬宏通「絵はがきの時代」
         (ASIN:4791762746

9位      高島俊男水滸伝と日本人」
         (ASIN: 4480422749)

10位     梅田望夫・平野敬一郎「ウェブ人間論
         (ASIN:4106101939

次点       宮崎哲弥「1冊で1000冊読めるスーパー・ガイドブック」
         (ASIN:410303131X

次々点      桐野夏生「柔らかな頬」 上・下
         (ASIN:4167602067,ASIN:4167602075)  

 
06年はpodcast元年、というのが私の印象。iTunesStoreのおかげで爆発的に音声コンテンツが増えた。森達也の「森の朝ごはん」や「media CLUBKING」での茂木健一郎菊地成孔対談など、メチャメチャ面白いおしゃべりに接し、大変胸躍った。
読書的には小室直樹や司馬遼を式神と捉える着想を得た。来年(というか、今年)は式神を駆使して、どんどん巷の妄説妄言を退治したい。以下収穫の寸評。
ダントツの1位「nu」は、対談集に特化したミニコミ誌。「打てば響く」という慣用表現をこれほどリアルに感じた対談読書もなかった。岸野雄一さんは西郷どん以来の人物かもしれない。なお、アマゾンは「nu」検知せず。はてなにブログ「nu 業務日誌」があった。http://d.hatena.ne.jp/nununununu/
2位、著者渡辺京二。彼についてしゃべるとあまり思い入れが強すぎて空回りしてしまう。仮に司馬遼11人と渡辺京二11人がサッカーをした場合、京二イレブンの圧勝を私は疑わない。以前書いた感想はココ。http://d.hatena.ne.jp/yasulog/20061116#p2
3位は語りの多重性。「悲しい酒」を歌う美空ひばりが涙をこぼすように、椎名林檎が看護婦ルックに拡張器で歌うように、ムラカミハルキは小さなボートで、語りの荒波へ漕ぎだした。
4位は吉田戦車。言葉をもつイメージの幅を探求する吉田は、哲学者のようにモノを眺め、子供に捕縛され糸を脚に結ばれたカナブンのように強く飛ぶ。
5位は異色のスイス本。近代国家と伝統的村落共同体の融合。融合でいいのかどうかわからんが、西郷隆盛が夢想したのは、スイスのような国の形でなかったか。のぉ、司馬遼どん?以前書いた感想はココ。http://d.hatena.ne.jp/yasulog/20060329#p1
6位は神々の履歴検証本。中世の神々は神というより、さながら法人のよう。神々間の生き残り競争を勝ち抜くために、より多くのさい銭を獲得に邁進した(大意)。以前書いた感想はココ。http://d.hatena.ne.jp/yasulog/20060422#p1
7位は加熱するスクープ合戦は、社会正義のゆえか?報道の使命か?以前書いた感想はココ。http://d.hatena.ne.jp/yasulog/20060827#p1
8位は手段と愛着の書。たとえば私はドコモの携帯「ぬ901i」を使っている。こいつは通信機器だが、そうと割り切るにはもはや情がうつりすぎている。なんのハナシだ!以前書いた感想はココ。http://d.hatena.ne.jp/yasulog/20060729#p1
9位、明治以降、中華文藝素養はメインカルチャーからサブカル転落した。今日の「水滸伝」や「三国志」大繁盛はサブカルゆえの熱狂だが、高島俊男は、そのサブカル的ダイナミックなうねりを受け止めた感性として後世に名を残すはず。以前書いた感想はココ。http://d.hatena.ne.jp/yasulog/20061204#p1
10位は衝撃の技術史観本。トンデモのようでもあり、サラリーマン的トピックをセンセーショナルに煽るビジネス新書にもみえる。ハッタリも信じる者が多ければ「本当」になる。周回おくれの梅田が旗振り人というリアルさが絶妙。
次点は宮哲。今年選挙出馬の意思はないとのこと。時事トッピック背景説明弁舌にさらに磨きがかかる?もしかしてさんま、紳介の次は宮哲?!
次々点は鼻差で桐野夏生。結末は賛否両論あるだろう。私は賛成派。犯人探しより濃密な物語を断固支持!彼女の「光源」も抜群に変な小説だったな。コレもオススメ。以前書いた感想はココ。http://d.hatena.ne.jp/yasulog/20060318#p2

神風連とその時代神風連とその時代
渡辺 京二

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東京奇譚集東京奇譚集
村上 春樹

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歯ぎしり球団歯ぎしり球団
吉田 戦車

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神国日本神国日本
佐藤 弘夫

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クライマーズ・ハイクライマーズ・ハイ
横山 秀夫

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絵はがきの時代絵はがきの時代
細馬 宏通

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水滸伝と日本人水滸伝と日本人
高島 俊男

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ウェブ人間論ウェブ人間論
梅田 望夫 平野 啓一郎

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1冊で1000冊読めるスーパー・ブックガイド1冊で1000冊読めるスーパー・ブックガイド
宮崎 哲弥

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柔らかな頬〈上〉柔らかな頬〈上〉
桐野 夏生

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柔らかな頬〈下〉柔らかな頬〈下〉
桐野 夏生

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