○「働くおっさん劇場」の衝撃
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正月、NHKの経済討論番組「地球マップ2007 “格差”と“競争”にどう立ち向かうか」で、ミスター円こと榊原英資が、飛躍的な経済成長を遂げつつある中国の明るい未来を矢鱈力説していて変だった。彼は別に中国万歳なわけでなく、国家主導型の有効性を、中国のエネルギッシュな経済成長を例に説いているのだと理解した。
番組のテーマに律儀な江川紹子は、国家主導型の急速な経済成長は反面、環境問題や機会格差のなどの弊害を引き起こしていると指摘するが、官僚思考の榊原は、そんな弊害は中間富裕層が拡大すればいずれ解決するの一点張りだった。つまり、国家主導型で経済を育成してきた日本こそが中国のよい手本だ、と言いたいのだろう。
榊原の、今日の豊かなニッポン社会を担保とした提言や反論への対処は、一見正しいように思われる。しかし、豊かなニッポン社会をつぶさに観察すると、もう取り返しがつかないほど、この国は根底から腐りはじめていること知るだろう。
単刀直入にいうならば、松本人志の「働くおっさん劇場」を観よ!
国家主導型経済において、官僚組織が描いたニッポンの未来図も、これを理解する勤勉な国民がなければ絵に描いた餅にすぎなかったはずだ。実際もはや勤勉な国民などいないのではないか。形而上的なマーネーゲームや株取引に熱中するなら、それはまだマシだ。人参をぶら下げても、人参よりも夢が好きな馬に爆走は無理だ。
なぁ、榊原さん、アンタ「働くおっさん劇場」観たことあるかい?この番組に出てくるレギュラーのおっさん達は、誰もがカッコイイおっさんになりたいと思っている。けど、その「カッコイイ」を測るモノサシがてんでバラバラなんだよ。
番組中キーワード、「ワンランク上のおっさん」の「ワンランク上」とは、富でも名声でもない。あえて言えば、「自分らしさ」だろう。昔はそんな寝ぼけたこと言ってる兄ちゃんは、「甘ったれんじゃねぇ」と大人にブっ飛ばされたもんだ。いまじゃブっ飛ばさなきゃならない立場のおっさんが夢をみている。具体性がからっきしの漠然とした夢を。