○とっても民主的な本屋大賞

リリー・フランキー「東京タワー」、第3回本屋大賞受賞
http://www.nikkeibp.co.jp/style/life/topic/honya3/060405_6th/

まあね、本屋大賞がメジャーになるためにはよかったんじゃないですか。リリー・フランキーの『東京タワー』に戴冠された唯一の文学賞ってことで、テレビのワイドショーはじめ各媒体で報道されるはずだし、『東京タワー』をもう読んだ人が他の候補作を買ってくれるかもしれないし。

にもかかわらず、知り合いの書店員のみなさんは一様に肩を落とし、「だれが投票したんでしょうねえ」とぼやいてるんです。

まったく誰が投票したんだー!って本の雑誌社から出ている冊子を見たら、「東京タワー」の推薦の声のなかに、知ってる女子の名が。。。あわわ。
本屋大賞は、本屋サイドとして職場ではものすごくブームがキテるのに売り場的にはさほど売り上げが伸びない本や作家さんを応援したい!っていうのがコンセプトなはず。だから、100万部突破の「東京タワー」っつーのは、なんぼなんでもいまさらな感じが。
知人の本屋にその辺をことを聞いたら、「ベルガ」が売れてたらうれしいけど、結果がそうでなくてもかまわないよ、という極めてアッサリした意見を吐いた。
ま、本屋大賞も本屋が全員参加なもんではないからねぇ。

あまり関係ないが、今朝通勤の車内で文庫本に物凄く顔を接近させて読んでる二十代後半サラリーマンを見かけた。読んでたのは司馬遼の「世に棲む日日」、何巻かは判読出来ず。
眼鏡忘れたのかって思うくらいの文庫本と顔の近さだったが、たぶん単に癖なんだろうと思った。しかし、傍目には絵に描いたような「むさぼり読む人」なサマで実によかった。
本と顔の距離の近い人々が選ぶ「むさぼった大賞」っていうのはどうか?