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○本屋の血・冷淡と熱烈の間
楽天ブック 高橋秀実「トラウマの国」予約のページ
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日本にはなぜ「トラウマ」が溢れているのだろう…教育、性、自分探し、老後など様々な現場を訪れ、硬直した日本人の精神をユーモアで解きほぐす傑作ルポ。
心情本屋的に気になる書き手というのが何人かいる。高橋秀実もその一人。
正直言って村上春樹や大沢在昌、江國香織、佐野眞一など、いわゆるビックネームの出せばアル程度「見込み」のつく作家は売っている立場としてツマラナイ。
「化ける」とは、針が振り切れるほど予想外の商品的価値の開花の意味と思う。本屋としての幸福とは、作家が「化ける」過程を売り手として追体験することにある。
当然追体験するためにはブツとしての本が欠かせない。新刊配本がアルのか。冊数(かず)はそれで充分か。配本ないなら取次に乗り込む勢いで電話でまくし立てるくらいの示威行為はやっておき、版元に電話注文する。
誰が「化ける」のか?これは本屋としての勘というしかない。日販速報や版元のFAXを眺めていて「血が騒ぐ」場合があるということ。漠然とした予感。ま、「気にかける」とは元来そういうもんだ。
ここで断っておくと、本屋の血は、読者の血とは一見似ているようで違うものだ。
「からくり民主主義」も「平成兵法心持」も俺はざっと立ち読み程度だ。高橋の巻末コラムを読むためにR25を追いかけるなどもしていない。本屋として成長するには、読者としての自分を切り離す冷淡さが必要なのかもしれない。
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