○談志はえらい? その2

談志はえらい?のつづき。
http://d.hatena.ne.jp/yasulog/20050127#p2

内田樹「先生はえらい」ISBN:4480687025)で、村上春樹が創作のインスピレーションを「うなぎ」に喩えていることを知った。
64頁より柴田元幸「ナイン・インタビューズ 柴田元幸と9人の作家たち」ISBN:4757407815)の引用をさらに部分引用。

村上:三者協議。僕は「うなぎ」説というのをもっているんです。僕という書き手がいて、読者がいますね。でもその二人だけじゃ。小説というのは成立しないんですよ。そこにうなぎが必要なんですよ。うなぎなるもの。
柴田:はあ。
村上:いや、べつにうなぎじゃなくてもいいんだけどね(笑)。たまたま僕の場合、うなぎなんです。なんでもいいんだけど、うなぎが好きだから。だから僕は、自分と読者の関係にうまくうなぎを呼び込んできて、僕とうなぎと読者で、三人で膝をつき合わせて、いろいろんと話し合うわけですよ。そうすると、小説というのがうまく立ち上がってくるんです(.....)。

談志は座布団に座ってから演目を語り出すのが遅いというハナシをした。
それは客の談志によせる期待感に対する、談志の無意識の「いやいや」だと思ったが、もっと積極的な姿勢なのかもしれない。
つまり、うなぎ的なもの、霊感を待っている状態から談志の落語は始まるのだな。