○正月はイナムルチを食べた。

沖縄には雑煮がない。だから中身の吸い物かイナムルチがその代わりか。
イナムルチは、豚肉と椎茸とかまぼこの具だくさんみそ汁。味噌はイナムルチ用の白味噌を使う。
興洋電子の情報誌「ざ・あかがーら」で好評連載されたらしい「おもしろーいザ・ウチナーグチ」のオンライン転載分「<ソーグヮチデービル>」より引用。
http://www.koyodenshi.co.jp/aka/aka-200201.htm

沖縄の伝統料理に「イナムルチ」があるが、イナはイノシシのイノと同根語。ムルチはもどき(擬き)ですね。近世の料理なので、猪の代わりに「っわー」肉を使ったのでしょうね猪がいなくて。

本当か?
柳田民俗学は、往々にして駄洒落大会の様相を呈してしまう。沖縄方言が日本語の古語に近いであろうことは私も異論はない。ただ、引用したイナムドチの由来説明は「なるほど、そうか!」と思う反面、微妙なきわどさを感じる。
「おもしろーいザ・ウチナーグチ」のバックナンバーを眺めても、コラム氏が私よりもうちなーぐち(沖縄方言)の造詣は数段上のようだし、モダンな教養を備えていることは察せられる。
ただ、ある種の手際の良さには、大切な何かを取り逃す側面があるじゃないか、というのが私の気分。
沖縄の風習などを説明することに、私がいつまでも不案内であるのは、もっともらしい解釈へ居心地の悪さのせいだと思う。
ま、修行がたりんということか。