○「勝負だ!」と呟いたとき、すで勝負に負けている

若き日のsilentman 愛と苦悩の笑日記,2004-12-13 「リブロと紀伊國屋書店ジュンク堂のそれぞれの違い Part2」より引用。
http://d.hatena.ne.jp/silentman/20041213

ピッチャー的にはやっぱりリブロなんだよなぁ。攻めたいよね。自分の一番自信のある球種で勝負したい。敬遠だけはしたくないなぁ。

先日、各球団をクビになった選手たちを取材したルポ番組を観た。
野村監督の息子、カツノリもその一人だった。
彼は球団合同選抜テストで2打席連続ホームランを打った。が、カウントに関係なくホームラン狙いのバッティングは、俺的にも「まずいな」と思った。ま、カツノリは楽天が結局拾って「よかったネ」って感じだが、あの機転の利かないバッティングは今後のカツノリの野球人生を暗示していると思う。
イチローが野球選手として図抜けているのは、勝負への執念だと思う。彼のすべてのプレーは、ゲームの流れを味方側に引き寄せる意図でなされている。
逆に言えば、彼はゲームの主導権を獲ることに、己の走攻守の能力を集中的に注いでいるのだ。
ホームランや三振やゲッツーなどのプレーは、確かに華がある。が、試合の流れに関係ないホームランや三振は意味がない。
イチローのプレーがとてもエキサイティングなのは、意味のないプレーがひとつもないからだ。寡黙なイチローだが、彼のプレーはとても雄弁だ。
「一か八か勝負だ」という状況は既に選択枝を失っているという意味で負けている。
なすべきことは、相手側を「一か八か」に追い込むことだ。あるいは味方の攻撃のオプションを増やすことだ。
イチローの二盗はそうささやいている。