伊坂幸太郎著「陽気なギャングが地球を回す」読了
祥伝社 ISBN:4396207557
4人の銀行強盗のはなし。陽気というほど能天気ではないが、さばさばした気持ちの良い4人組。配役を想定する読書スタイルは採らない私だが、今回は4人の強盗たちは、マンガキャラのキャスティングしてみた。
ああ言えばこう言うの蘊蓄癖の男、響野。彼は北条司の眼鏡キャラ。響野夫婦の減らず口舌戦はまさに北条的な男女の仲睦まじさを彷彿させる。実際にいたら苦手な夫婦。
精妙な体内時計を持つバツイチ女、雪子。彼女は大友克洋キャラ。クールビューティ。
天才的スリの青年、久遠。彼は望月三紀也キャラ、見かけ寄らず熱血漢。
人間嘘発見器、成瀬。冷静沈着、頼れるリーダ−。彼は水島新司キャラ、ずばりあぶさん
メインの4人に限らず登場人物の人物造形の良さは気持ちがいい。ああ、こういうヤツいそうだな。ああ、なんかこういう人ってこんなこと絶対言うな、という感じ。特にサブキャラの田中は最高。
大どんでん返し的なひねりはないが、登場人物のらしい台詞の応酬が気が利いてる。銀行強盗なんて物騒だと思うが、彼らのようなユーモアの分かる強盗なら客として遭遇するのも悪くないだろう。そのとき、響野はどんなお題で演説をぶってくれるだろうか。天然の演説家、響野って本当にイイ。