○おやじの遺産、または借金


◇職場と家の往復のヘビロテは、砂原良徳のニューアルバム「liminal」。良すぎる。


◇有馬哲夫「原発・正力・CIA」(新潮新書)雑感。第五福竜丸事件後吹き荒れた反核・反米旋風沈静化のためCIAの仕組んだ「原子力の平和利用」の宣伝は、正力主導の読売や日テレ後押しでテキメンの効果を発揮した。
この件で正力が骨折を惜しまなかったのは、CIAに恩を売りたかったという消極的な打算だけでなく、「原発」発起人になりたいという積極的欲得のためだった。「原発」の潜在的べらぼうな可能性がそうさせた。要するに「原発が儲かるぞ」と触れて舞われば、どんどん人や金が集まり更に金がコネクション生まれる!と正力と直感したのだ。
だから段取を指図するだけで原発を売ろうしないアメリカは、正力にとって俺の「原発」を駄目にしかねない不誠実な商人だった。
早々と導入に道筋をつけることで利権の盤石化をはかりたかった正力は、アメリカを切り捨てイギリスの原子炉購入に踏み切った。ところが先方は日英動力協定締結の土壇場で、事故時イギリス政府の一切責任を負わないという免責条項を差し込めとゴネ始めた。金やコネを生む政治カードの正体が、事故った場合甚大な被害が起きうる原子炉と顕在化した瞬間だった。「原発の父」正力松太郎は、事故ってもイギリスは責任無しの原発を買ってしまったのだ。
ところでCIAとのパイプ役は腹心・柴田秀利(後の日テレ専務)は、腹のなかでは正力松太郎を嫌っていた。上流階級志向で、天皇中心の日本再興を希求する柴田にとって、正力の政治的栄達など全く眼中になかった。
逆に正力にとって柴田が抱く理想など屁のようなもので、「総理大臣の椅子」が関心ごとのすべてだった。柴田が嫌ったのは、そうした正力の下衆さだったはずだ。ナベツネは、正力よりも柴田っぽい人じゃないかと思った。


◇岡田オリックス、開幕戦引き分け。2点を追う展開、終盤の8回、9回にバルディリス、後藤のホームラン2発で追いつき、平野、岸田とテッパン投手リレーで繋ぎ粘りに粘ったオリ。12回裏もT岡田が左中間打ち返す二塁打(代走・金子)。野中、送りバントで1アウトランナー3塁。
李スンヨプは敬遠でランナー1塁(代走・山崎浩)、3塁。バルディスも歩かせる満塁策かと思いきや真っ向勝負のホークス首脳陣。お立ち台英雄になるチャンス到来のバルディスだが、ホークス守護神ファルケンボーグの前に三振。。。。
1塁ランナー・山崎浩2ストライク、ノーボールのカウントで盗塁していたので、2アウト2塁3塁で、キャッチャー鈴木の打順に代打日高!一打サヨナラのチャンス。沸き立つオリ側ベンチ。が、ファルケンのアウトコースの変化球を引っかけピッチャーゴロで一塁にトスでゲームセット。
勝ちに等しい引き分けを拾った。試合をつくった先発木佐貫に拍手。局面局面で的確に負け要素を消す手堅い岡田采配を堪能した開幕戦だった。今期のオリも粘っこそうだ。



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