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○カーブを待ちわびて
週刊ベースボール 5月11日号、特集「古くて新しい!カーブの魔力」。
今カーブといえば、当然2008年日本一に輝いた埼玉西武ライオンズの岸をおいてほかない。08年度日本一を賭けた勝負、巨人打線でキリキリ舞いさせシリーズMVPに輝いた勇姿もまだ記憶に新しい。
現楽天監督で日本球界屈指の野球分析脳を持つ男・野村克也は、岸のそれは親指と人差し指の間から抜くようにして投げるカーブで、腕がストレートと同じにふれるため、打者がタイミングを逸していると指摘し、うちの投手陣もアレを研究してほしいとボヤイてみせた(下の添付動画参照)。
松坂世代くらいからか、スライダー全盛期が到来した感がある。高校野球でもカーブよりもスライダーを組み立ての中心にしたピッチングが目立ってきているが、勝負世界は面白いもので希少ゆえに効果を発揮したりする。つまり豪腕でなくても投手の活路はあるわけで、岸のカーブはその好例と言えるだろう。
ま、そんなこんなで今回の週刊ベ、表紙に岸の名前もあったので、立ち読み確認作業もすっ飛ばし即買した。が、特集読んでビックリ!目当ての岸を直に取材したものがない。インタビューもコメントもなし。
カーブの握りの公開ページで、工藤公康、川越英隆、永井怜、岩隈久志など現役投手が開陳しているが、全球団からのピックアップになってない。中日、広島、巨人の投手陣がない。西武の涌井や岸もない。
残念だが、ま、なんせ勝負の世界、球団サイドの対応に難くせつけようとは思わない。というか、週べのカーブ特集それなりの収穫はあった。なかでも投球戦略という観点から、岸のカーブを語るという元日ハムの岩本勉の解説はなかなか含蓄深い。日本シリーズ、岸のワンバンウンド気味の低めのスライダー(?)に巨人の打者が空振りてしまうシーンが多々あったが、アレって軌道の違う変化球を巧く混ぜてるからなんだなと思わずヒザうち。それと岸の投球フォームの連続写真、右手の握りと角度から推察するに野村の言う通り、抜く式カーブみたいだ。
あと、ジャイアンツ西村のコメントがあって、岸より直々にカーブの握りと抜き方教わったそうだが、ぼくの見立てでは西村、投球時打者と正対するのが早すぎと思うな。
2008日本シリーズ西武vs巨人 野村監督が6・7戦を解説
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