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○ブライアン・デ・パルマ監督「ブラック・ダリア」観たよ
怪作。というか変な映画。
日本でも耐震偽装が世間を騒がせたが、LAって街なんて映画のセットみたいなハリボテだ!というのがエルロイ節。
けれど、それは庶民感情な一本調子なもんじゃない。ハリボテだから好き!というのがエルロイなのだ。
金持ちもうわっつら。悪党の跋扈する闇もどこか深みが足りない。でも、そんなニセモノめいたLAが唾棄したいくらい好き!というヘンタイめいたLAへの思慕の情、その権化こそがエルロイなんだろう。
LAが映画セットな街なら、きっとLAの住人たちはそれぞれが映画スターだ。いや、映画スターを気取りのバカ野郎たちだ。連中は人生というスクリーンで迫真の演技をしてるつもりでいるが、どうしようもないダイコンでクソ芝居を延々くりかえしている。むろんエルロイは彼らも唾棄したいほど大好きなのだ。
デ・パルマはエルロイの妄想に易々とシンクロ、これがハリウッド映画なのかとタマげるような超A級なB調に演出。見事炸裂。
ブラック・ダリア | |
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