○気になる新刊

◇武内孝夫「こんにゃくの中の日本史」(講談社現代新書 3/16刊)
http://shop.kodansha.jp/bc/books/kpb/#shinsho

http://www.nira.go.jp/icj/tt-sric/dat/1990/185934-175.html

群馬県におけるこんにゃく生玉の生産量は全国の首位でシェアを年々高め、他の産業には見られない業界の指導的立場にある。しかし「相場もの」といわれ、原料(生玉)生産料の変動で需給バランスが崩れ易く、業者の思惑による投機的売買により、価格変動が極めて激しく、種々問題点をかかえている。そこで、生産、流通、消費面を通して、今後の産業動向について調査したもの。

一番好きな漫画は吉田戦車の「ぷりぷり県」。空前絶後の県漫画!だ。
主人公のつとむ君は架空の県、ぷりぷり県出身者で、他府県人のお国自慢に対し猛烈な対抗心を燃やす。
そのお国自慢のバトルは、実際の名物や風習を戦車流にアレンジし、独特なズレた亜空間が展開する。そういう意味で戦車は宮沢賢治の正当な継承者であり、司馬遼式辺境史観の踏襲者だ思う。そして私は、そういう吉田戦車に一生附いていく覚悟である。

以前、中曽根康弘について調べた。中曽根は群馬の材木屋のせがれである。文献の名は忘れたが、中曽根を調べていて、こんにゃんくにぶち当たった。
群馬といえば、こんにゃくの名産地として名高い。なんでもこんにゃくは投機的な要素があって、これで儲けた資金が政治に。。。というようなことが書いてあったと記憶する。
私のかつての上司は群馬の男だった。上背があり手足が長く、土蜘蛛の末裔のような体躯をした書店員だった。その上司に私は、こんにゃくって投機的な作物なんですか?と尋ねてみた。
具体的になんと返答してもらったか失念したが、要するに「知らん」という意味の回答をもらったと思う。
つとむ君のように他府県人から自県について聞かれすらすらと答えられる人は稀であるようだ(当たり前か)。
現代新書より発売される「こんにゃくの中の日本史」は、ぷりぷり県的な私の問いに満足な答えをよこしてくれるだろうか。