カタカナ語の氾濫

現代社会は高度情報化社会である。情報とはさしずめ言葉のわけだが、めまぐるしく変化する現代をキャッチアップするため、新たな言葉が日々生成されている。そして、その大半はカタカナで表記される。
先日ラーメン屋で、ふと「ルッコラ」というカタカナ語が浮かんだ。西洋野菜の名前だとは思ったが、どんなものか分からなかった。
で、「美味しい坊」読者の友人ヨシダにメールしてみた。
ルッコラってなんだけ?」
ヨシダはメールまめな男なので即返事を寄こしてきた。
「野菜、葉っぱだよ」
そうか、葉っぱの野菜か。ヨシダはやっぱ頼りになるな、サンキュー、ヨシダと思った刹那イヤな予感がした。
もしやヨシダは俺にウソのルッコラ情報を与えて、イヒヒと笑っているのではないか、という漠然とした予感が。
そこで俺は、ルッコラ=葉っぱ説を棄却することにした。ヨシダ、そうは問屋がおろさんゼ。俺をだまくらかそうなんて百年早いってゆーのっ!
ではルッコラとはなんだろうか。
語感からすると丸みおびた印象をうけた。
「ッコラ」の部分に。なんとなく丸みをおびたころころした感じがした。
ルッコラは丸い、という直感を俺は採用した。それから緑色をしていると思った。何故かは分からないが緑っぽい感じがした。ルッコラは。
さらに、鱗のようなもので覆われていると直感した。
おおまかなルッコラのアウトラインは分かった。が、問題はどんな味だ。味が分からなければ調理のしようもない。
鱗を剥くとなかは白く、ほくほくしていて芋の味がする感じがする。多少のえぐみがあるがそれはそれでルッコラ通はそのえぐみがたまらないと口々にいう、らしい。
ルッコラは、清流の川辺に生息する一年草の植物の実で、アンデス地方の方言で「川のお芋」の意。小麦があまり穫れない彼の地方ではかつて主食だったと結論づけた。