養老孟司バカの壁」再読

結果的に養老の「バカの壁」は、一神教やそれをバックボーンにしたの考え方をバカよばわりし、多神教のニッポン万歳でベストセラーになった。
養老は確かによく喋る老人だが、あまり興味がない。むしろ新潮のような、可愛らしい版元がその景気で舞い上がってしまうことが気味が悪い。楚々とした風情が印象的であったハズのカノジョが不自然なナチュラルメークでその魅力を台無しにするような気配がそこにある。嗚呼新潮、オマエはいつからそんな不気味な紅を引くようになったのだ!
日本人、あるは日本のカイシャはこんな塩梅でグローバリゼーションに煽られ、ひしゃげた中小企業社長スピリッツを共有ししていくのだろうか?
中小企業スピリッツは勇気ではない。むしろ勇気や自由や展望を奪われたと錯覚したがゆえに見えてくる偽の欲望だ。
偽の欲望。そんなことはフーコーの著作を刊行する新潮なら、百も承知だ。というか中小企業スピリッツが、たとえ「ナデシコジャパン」や「ラストサムライ」などと看板を変えて迫ってきても多くの日本人はそれが偽モノのでることなど一瞬に見切っている。ただ、天秤にかけたときにその看板を信じたふりをする方が得策であるから、看板を掲げるのだ。どうだ、一神教の民族どもよ!お前等に日本人のミヤビでフクザツな気分が分かるか?粋でイナセでシャイな人情が汲み取れるか?
たしかにお前等一神教民族のような「バカの壁」が我々のなかにもあるが、それが「バカの壁」であると充分承知している点がお前等と違うのだ。壁はふすまのように紙で作ってある。日本の伝統だ。嗚呼お前等に我々のような紙を壁に見立てる頭の良さがあたったなら、争いごとなど世の中から消えるのに残念だ。南無阿弥陀仏。色即是空。はっぱろくじゅうしぃ。
小泉はその点ブッシュを指導する立場あるが、あまり強く紙の壁普及提案するのと、アメリカのグローバリズムと同じ無理強いになっていまうのはまずい。自発的にブッシュが、中東やアフリカ、中国て対しての威圧的な態度を止めべきだ。そして日本人と組んでもっと商売に精を出すべきだ。
働くことはもっとも尊い。すべてのアメリカ人がこの日本的な天秤と分別を学んだら、次世代においてもアメリカの繁栄は約束されるだろう。
兎に角、アメリカ国民がその総意として、紙の壁案を受け入れることが望ましい。
正義が勝つには時間が掛かる。日本人なら誰でも知っていることだ。