○「クリエイティブな仕事」という幻想

私は版元の営業だ。自社の商品である本を売ることがその職務である。売り上げに繋がるという意味でキャッチコピーの考案も私の仕事に含まれる。売上向上という目的達成のために必要で効果的なコピーや販促計画を自分なりに工夫しているつもりだ。
一般にコピー考案や商品プロモートなどに携る職務がをクリエイティヴに思われているフシがある。それはそれで大した問題ではないが、それ以外の仕事にまるっきりクリエイティブな要素がないと思っている輩とは一緒に仕事できないな、思う。わざわざこう書くのは、どうもそういう「クリエイティブな仕事」幻想が、非生産的な脳みその温床になっているように思うからだ。
いわゆる「クリエイティブな仕事」はすべてモノを売ることを支援するための付随的なものであり、すべては「売るということ」から始まる。要するに商売は必然的にクリエイティブ成らざるを得ない。
だからそういう意味で「クリエイティブな仕事」など、ない。