○『魂の労働 ネオリベラリズムの権力論』刊行記念渋谷望講演会
http://www.books-sanseido.co.jp/sibuya_kouen/sibuya_.html?MBR_NO=&SESSION=

渋谷さんのお話の30パーセントは、「あー」とか「えー」だった。
ただ、私はそれが嫌いではない。
(少なくとも発話者にとって)重要なことを話そうと思うとき、そういう風に「あー、えー」調になるのは、至極当然のはなし。
立て板に水でしゃべるのは同じ話を反復練習することで完成する話芸なのだから。

80年代に大輪の花を咲かせるファッショナブルなポストモダン思想ブームは、日本の左翼運動の挫折(権力を模倣し暴力化した歴史)を隠蔽しているとの指摘。
なんで隠蔽されたのか?って疑問は渋谷さんはあまり興味ないらしく、ハナシはポストフォーディズムが云々かんぬんで、アウトノミア的な労働観とその可能性って方向へ。
宮崎駿の労働観ってやっぱイタリアだったんだな。

質疑応答で、大塚某氏がツッコミをいれ、渋谷さんの「あー、えー」調が余計にしどろもどろに。
どう考えても渋谷さんは総論の人。各論的な質問は野暮なんじゃないか。
ま、そういう野暮覚悟で聞いてみたいって状況が今の日本なわけだから、その辺でガッカリした向きもあるかも。
けど、青臭いとか誰それの焼き直しと言われようが、愚直に総論を語ることはやっぱ大切だと思うなぁ。