○オトコの双肩


西寺郷太はミュージシャン。ミクスチャーロックバンド「ノーナ・リーヴス」を軸に、作詞、作曲、アレンジ、プロデュースと音楽畑で辣腕をふるう知る人ぞ知る逸材。
才能を放っとかないのは世の常で、近年ラジオに進出。TBSラジオライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」のゲスト出演でマイケル・ジャクソン小沢一郎についてその共振性を語り、リスナーの度肝を抜きやんやの喝采をうけた。
ラジオ界への快進撃はこれ終わらない。この四月スタートの同ラジオ局お昼の帯番組「小島慶子のキラ☆キラ」水曜のコラムニストに抜擢される。毎回の圧縮度の高い音楽トークは、一介のポップミュージック好きの情動と現役ミュージシャンの醒めた視点の配合ぶり絶妙な、聞き甲斐あるコラムだ。
24日(水曜)は、マイケルの妹ジャネットのハナシだったが、ハナシそのものより導入まくら部分に面白かった(参照)。
前日観たテレビの「餃子の王将」特での王将社長の言葉に感化されたという西寺は、自分のこのコーナーにとっての「王将のギョウザ」にあたる核になるのは何ぞやと自問したと言う。で、
やっぱマイケルだ!
と改めて思ったとか。
山に喩えるなら彼の功績や人脈と眺め、頂のマイケルを見据え、楽曲秘話や人脈エピソード、音楽ビジネスに残したデカイ功績や影響なんかを大いに語っていくぞ、という意気込みの宣言と俺はうけとった。途方もなくデカくそびえるマイケル山脈。その山肌、絶壁、吹雪等などの道なき道をのぼること(語ること)こそ、西寺は「キラ☆キラ」水曜コラムの核にしたいと言ってるのだ、と。
Michael Jacksology。
マイケル・ジャクソン学というものを仮に想定するなら、西寺は間違いなくその学徒だ。つまり「キラ☆キラ」水曜コラムは、マイケルジャクソン学徒・西寺の「うひ山ぶみ」的ココロミといえるだろう。

この金曜の朝、「マイケル心肺停止」のニュース。初見ガセだと思ったが本当だった。。。そして昨晩「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」冒頭で電話出演した西寺は、今後マイケルの楽曲は音楽教科書に載り、バッハやシューベルトビートルズなどと同様に研究の対象となるだろうと予想しつつ、この楽曲の教科書採用評価がマイケルの神化に拍車をかけるだろうことを憂慮していた。
踊る毀誉褒貶と言えるようなマイケルだが、特に90年代以降、彼は「ゴシップアイコン」振りが際立った。
突然の夭折。これが急激な揺れ戻しを生むだろうことは想像にかたくない(金曜「キラ☆キラ」の町山さんの毒舌は、彼の住むアメリカのそうした空気に対する反発だったと思う. 参照)。
「常人の域を越えた破格のミュージシャン」、「キング・オブ・ポップ」、「なんだか分かんないけどスゴイ奴」等々。マイケル・ジャクソンの神格化とは、つまるところイメージの固定化をいうのだろう。耳ざわりいいマイケルのレッテルが横行、それがためにマイケルとマイケルの楽曲がみえなくなってしまう。西寺の危惧はそこにあるはずだ。
このヤスlogのを読んいるあなた。もしあなたがテレビや新聞、ネットなどのメディアのマイケル評価に少しでも違和を感じるなら、是非西寺郷太トークを聞いてほしい。水曜15時はラジオを954にチューニングするのだ。また、このコラムはポッドキャストでも聞けるから遡っても聞いてほしい。なお、7月4日(土曜)の「ライムスター宇多丸 ウィークエンド・シャッフル」は緊急企画「テレビでは報じられないマイケルの真実を大特集with西寺さん」をやるとか(参照)。やっぱコレも聞き逃せないっ!!
マイケル亡き今、「マイケル・ジャクソン学の本居宣長」たる西寺郷太の双肩に掛かった期待は、一層重みを増している。



・「小島慶子 キラ☆キラ」hp
http://www.tbsradio.jp/kirakira/index.html