○べらぼうに暑い日、外市


古本屋往来座外市へ出かける。田口トモロヲみうらじゅんブロンソンならこう言うね」(ちくま文庫)を買う。95年頃STUDIO VOICE連載されていたやつをまとめたもの。
鉄道マニアのことを「テツ」と呼ぶような傾向が近年みられるが、それに倣ってみうらじゅんファンを「ジュン」と呼称したい。白状するが、ぼくは連載は立ち読みするが単行本を買うのはマレという。。。ま、ジュン度20パーセントくらいのハンパ野郎だ。
みうらじゅんには面白い兄貴というイメージがあるが、実はアタリ/ハズレのムラがある。田口トモロヲと組んでのチャールズ・ブロンソン布教ユニット「ブロンソンズ」は当時のぼくには全くピンとこなかった。なんで今ブロンソン?どっちかってゆーと武論尊じゃない?ってのが、当時の心境だった。

ブロンソンならこう言うね」。いまこうしてパラパラと眺めてみると、これはまぎれもなくみうらじゅんの説教本だと分かる。田口の悩みというかグチに、ブロンソンの皮をかぶったみうらじゅんが回答ならぬ説教を垂れるのだ。
80年代後半くらいだろうか、新聞・雑誌掲載の読者投稿の悩み相談のテイストが急激に軽くなった。娯楽に特価したと悩み相談が幅を利かせ始めた。悩みというより、ラジオのはがき職人ネタ的な、いわゆる「フェイク悩み」の隆盛だ。バブル景気まっ盛り、そうした風潮を反映したのかもしれない。
たしか朝日新聞連載の中島らもの「明るい悩み相談」がそのハシリではなかったか。「ソープへ行け!」でお馴染み、週刊プレーボーイの北方謙三のそれも本来の意味での悩み相談ではなかった。
たぶんみうらじゅんは、そうした読み物指向の悩み相談に光明をみたのではないか。もっというと、北方謙三のようなマッチョスタイルの放言に、ブロンソンを見たのだと思う。
けれど、さすがにSTUDIO VOICEじゃ投稿は期待できない。じゃあどーするか。。。そうだ!!いつも居酒屋で説教してるトモロヲの悩みを聞けばイイっ。ヤツなら俺も湯水のごとく説教が垂れられるゾ!!
ブロンソンならこう言うね」は、みうらじゅん的「悩み相談」形式への見識であり、ちっとやそっと動かない腐りきった現実を大好きなブロンソン色に染めるための革命の狼煙だったのかもしれない。


ブロンソンならこう言うね (ちくま文庫 み 23-3)
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