ディベート・サイボーグ勝間和代TBSラジオ見参!!


TBSラジオの「アクセス」はリスナー参加型ニュース掘り下げ番組。当日リスナー関心度順ニュースランキングとリスナー電話参加の討論の二本柱というシンプルな体裁。
金曜日のパーソナリティは麻木久仁子二木啓孝。ゲストは、著書が売れまくりの経済評論家、勝間和代SMAPの草薙くん女装顔の、アノ人だ。
さて、本日のバトルトークのテーマは「日本は移民を受け入れる国にかわるべき?」。おそらく、自民党外国人材交流推進議員連盟が人口減少問題の解決策として、今後50年間で1000万人の移民を受け入れる提言(参照)を福田ウータンに具申したのことをうけてのテーマ選定のもよう。
ゲストの勝間もふくめた三人のお題に対するスタンスは、二木は移民受入れ慎重派、勝間は移民推進派、麻木は、進行役であるための「どっちかなぁ」という悩んでいる派というあんばい。
移民推進派の勝間いわく、「医療や健康保険など公共サービス維持には、経済活動をとおした国力の維持が不可欠。ゆえに、移民受入れは当然、問題はどのように受入れかだ」とぶちかまし、移民受入れの是非というお題設定をしょっぱなから無視。移民ありきでハナシをすすめる魂胆を炸裂させた。
ベルギー滞在経験がある電話参加のリスナーが、移民の出稼ぎ感覚の現状やアラブ系・アフリカ系移民への根強い差別意識など、移民受け入れの実際を喋っていたが、そのときの勝間もスゴかった。いわく、「今、移民に関する短所を挙げられましたが、それなら(ベルギー政府も)やらないわけです。移民の長所もあるをじゃないですか?」と誘導尋問。
二木は、うがった見方でがあるがと断りつつ、中川秀直肝いりの提言なので、実現性ある政策提言とみるより、政界再編のためのアドバルーン的提言ととらえるべきでは?と言っていた。これには勝間はスルー。彼女はあくまで移民容認を前提でしゃべりたいのだ。
中立な立場の麻木への懐柔にも余念がない。麻木がどんなに移民受入れにネガティブな意見を言っても、「おっしゃる通りです」と先ず、麻木を立てる作戦。
勝間のディベート術をここでまとめると、

1.自分のフィールド前提でしゃべる。
2.問題設定へのメタ的な意見は無視。
3.賛成反対で迷っている人を味方につける。味方になりそうなターゲットには、言葉上譲歩してみせる。

って感じか。ディベートはさほど上手でない。もう少しユーモアがあってもイイじゃないか。
結局、どういう国をめざすのかというデカい国家デザインなしに移民の是非論してもしかたないな、というところに落ち着いた。
きょうの勝間、最新式外国社製掃除機みたいだった。無駄にパワフルでなんか荒い。麻木をナメていたのも敗因だろう。おそらく、翌日には番組ディレクター、プロデューサー、出演者へ出演オファーお礼の勝間メールが届いているはずだ。今後の「アクセス」での勝間の処遇も気になるところだ。



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