○雑誌「ノーサイド」の連載は収録されてないんだね。


待望の武藤康史「文学鶴亀」(ISBN:978433604991)購入。そういえば武藤さん、サトミトンサトミトンって大プッシュいてたなと思い出した。
「文学鶴亀」は武藤さんの雑文集。批評の小道(週刊文春)、韋駄天漫筆(文学界)、日本語探偵帖(東京新聞)などあちこちの雑誌媒体で書いたものをドバッっと収録しているが、私が愛読していた「ノーサイド」連載は収録されていおらず。つーか、本書「文学鶴亀」はその連載時の表題のはずだが。あー。
韋駄天漫筆「由良君美逝って五年」(138ページ)は読んだ記憶あり。たしか例の自由国民社「ブックカーニバル」が出たのもこの文章が書かれた95年くらいじゃなかったか。
学生のとき欠かさず出席したのは講義は原卓也「現代ソビエト文学」と由良の「文芸批評」だけだったと武藤さん。個人的には、由良の「みみずく偏書記」は読みはしたものの今ひとつピンとこなかった。いまだその偉さがどうもわからない。
四方田犬彦「先生とわたし」で俄然注目をあびる由良君美だけども、由良に近く接し薫陶をうけた高山宏や四方田などの昔ばなしより、講堂という距離間で由良をみていた武藤さんにこそ由良ばなしを語ってほしかったりする。


文学鶴亀
文学鶴亀武藤 康史

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