○バートランカスター主演「泳ぐひと」観た。


バート・ランカスター主演「泳ぐひと」観た。1968年の作品。ジョン・チーヴァーという作家の「The Swimmer」という短編がベースになっているもよう。奇妙な味の映画。ちょっとコントぽい。
バート演じる中年オヤジ、ネディは友人宅のプールサイドで閃いた。「そうだ!近隣のプールを全部泳いで家に帰ろう」
小学生顔負けの発想で、プール伝いの帰宅を実行するネディ。けれど泳ぎ帰宅は予想以上に困難だった。。。
プールつきの家が並ぶアメリカの郊外の暮らしをモチーフのようだ。おそらくこうした家に住むアメリカの人々にとってプールは泳ぐものでなく、庭のインテリアみたいなものなんだろう。ところでネディが閃いたのはプール伝いでの帰宅だったが、それは同時に泳ぐためのデカい容器としてのプールの発見でもあった。
インテリアと泳ぐためのデカいうつわ。各家主とネディとのあいだに横たわるプールをめぐる認識のギャップ。プールをインテリアと看做さないネディ。泳ぎ続けるネディ。プールサイドの軽妙な会話そっちのけでプールに飛び込むネディ。一体なぜ彼は泳ぎに執着するのか?多分ネディは、プールサイドが象徴するアメリカの郊外生活から必死で目をそむけているのだ。


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